イーロン・マスク氏の人工知能(AI)企業、xAIは、同氏が率いる企業グループと関係を持つウォール街の金融機関に対し、チャットボット「Grok」の試験導入を働きかけている。事情に詳しい関係者が明らかにした。親会社スペースXの新規株式公開(IPO)を前に収益強化を図る一環だという。

関係者によると、アポロ・グローバル・マネジメントとモルガン・スタンレーは、他のAIモデル提供企業のソフトウエアと並行してGrokの社内利用を始めた。関係者は情報が非公開だとして匿名で話した。バラー・エクイティ・パートナーズもGrokを利用しているという。一方で、一部の銀行は契約しているものの、業務でGrokを使うケースは少ないとの指摘もある。

マスク氏のAI事業は、来月見込まれるスペースXのIPOを前に、チャットボットのサブスクリプションやコンピューティング資源の提供を通じて収益拡大を急いでいる。xAIのこれまでの売り上げの多くはスペースXやテスラなどマスク氏の他事業との取引によるもので、金融業界ではOpenAIやアンソロピックに比べて性能面で劣るとの見方が広がっている。ブルームバーグ・ニュースの報道によると、スペースXとの合併を前にxAIは月間で約10億ドル(約1580億円)の資金を消費していた。

金融分野で足場を築くため、同社はマスク氏の人的ネットワークを活用している。アポロはエヌビディア製半導体を巡る資金調達でxAIと緊密に協力してきた。モルガン・スタンレーは長年にわたり同氏の主要取引銀行であり、スペースXのIPOでも主導的役割を担うとみられる数社の一角だ。さらに、長年の側近アントニオ・グラシアス氏が率いるバラー・エクイティ・パートナーズは、xAIとスペースXに投資している。

xAIとモルガン・スタンレー、バラーの担当者はいずれもコメント要請に応じなかった。アポロはコメントを控えた。

原題:Musk’s xAI Races to Get Wall Street Firms to Use Grok Chatbot(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.