米アンソロピックが開発した最新人工知能(AI)モデル「Mythos(ミュトス)」に対抗する技術の導入について、フランスのAIスタートアップであるミストラルAIが欧州の複数の銀行と協議している。ミュトスは限定的に公開されたAIモデルで、サイバーセキュリティー上のぜい弱性を検出する能力が極めて高い。

事情に詳しい関係者によると、ミストラルはサイバーセキュリティーに特化した独自のAIモデルの開発を進めてきた。公開時期は明らかではないが、このモデルに関して同社は欧州の銀行業界と既に協議を重ねている。

関係者は非公表の情報だとして匿名を要請した。ミュトスにアクセスできない欧州の銀行は、AIツールが悪用し得るぜい弱性を早急に検出し修正するよう圧力にさらされている。

ミストラルはミュトス発表以前から、AIを活用したセキュリティー上の欠陥検出に銀行顧客と取り組んでいた。現在は使用が即可能で、広範に展開できる製品の開発を進めていると、関係者の1人は語った。

ミストラルの広報担当者はコメントを控えた。

アンソロピックはミュトスを非公開とし、その後アクセスを限定して公開した。だが、AIのハッキング能力に世界的な警戒感が高まり、ミュトスと張り合えるほど強力なツールを目指した開発競争が起きている。

ミュトスを利用できるのはテクノロジー会社や銀行、サイバーセキュリティー企業など一部の協力企業に限られ、こうした企業はミュトスの能力を検証し、自らのセキュリティー強化に取り組んでいる。初期分析によると、ミュトスは自律的に攻撃を仕掛ける能力もある。

ミストラルのモデルがミュトスと比べてどの程度の性能を持つかは現時点で明らかではない。欧州企業はほとんどミュトスにアクセスできておらず、米欧のセキュリティー格差に対する不安が悪化している。

原題:Mistral Developing New AI Model for Banks Lacking Mythos Access(抜粋)

--取材協力:Mark Bergen.

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