米国とイランの停戦は11日、極めて不安定な局面を迎えた。イランの最新の和平提案を拒否したトランプ米大統領は、停戦合意が「大きな生命維持装置につながれている」と語り、危機的な状況にあるとの認識を示した。

トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、自身の提案に対するイラン側からの回答を「ごみ同然」と切り捨て、「最後まで読みさえしなかった」と語った。

事情に詳しい関係者によると、イランは先週の米国の和平提案に対し、ホルムズ海峡の通航に一定の影響力を維持する一方で、米国による海上封鎖の解除と制裁緩和を要求した。機密性の高い情報であるとして、関係者は匿名を条件に語った。

動画:記者団の質問に答えるトランプ米大統領

トランプ氏はこれまで、イラン指導部が自身の条件に同意しなければ軍事攻撃を再開すると警告してきたが、実際に再開するかどうかは今回示唆しなかった。同氏はこれより先、FOXニュースに対し、ホルムズ海峡で船舶を護衛する計画の再開を検討していると述べていた。

一方で、外交的解決の可能性について問われると、トランプ氏は「十分にあり得る」と語った。また、イラン指導部が「核関連物質をわれわれに渡そうとしている」との主張を、証拠を示さないまま繰り返した。これまでの戦闘を通じて、イランが核開発計画の維持を主張している点も含め、自らの立場を譲る兆候は公には示されていない。

11日の原油相場は上昇し、北海ブレント原油は1バレル=104ドル付近で終了した。トランプ政権はエネルギー価格高騰による消費者負担の軽減策も検討しており、トランプ氏はガソリン税の一時停止への支持も表明した。

今回の展開は、10週間に及ぶ戦争の解決を図るトランプ氏の試みが再び失敗したことを示す。この戦争は世界的なエネルギー危機を引き起こし、米国内では同氏と共和党にとって重大な政治リスクとなっている。

また、戦争は中国との関係も緊張させている。トランプ氏は今週、北京で習近平国家主席と会談する予定だ。中国がイランにもたらす収入や武器輸出の可能性などが協議される見通しだと、米当局者が週末に匿名を条件に明らかにした。

トランプ氏は11日、「全く圧力はない」と述べ、「われわれは完全な勝利を収める」と強調した。

関係者によると、イランはレバノンでの戦闘も含めた即時停戦を主張している。イスラエルはイランへの攻撃と並行して、レバノンで武装組織を攻撃している。紛争により中東全域で数千人が死亡し、石油・ガス市場が揺れている。

米ニュースサイトのアクシオスによると、トランプ氏は11日、国家安全保障チームと会合を開き、戦争について協議。軍事行動の再開の可能性も議題に含まれるという。米政府当局者3人の話として報じた。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は匿名の関係者の話として、アラブ首長国連邦(UAE)がイランに対する攻撃を実施したと報じた。UAEは戦争初期に、イランのミサイルやドローン攻撃の標的となっていた。

ホルムズ海峡の封鎖は総じて続いており、イランを含め湾岸諸国はこの水路を通じてエネルギーを輸出できない状況にある。同海峡は戦争前には世界の石油および液化天然ガス(LNG)の約5分の1が通過する要衝であった。

イランはホルムズ海峡の「見えない守護者」として、ペルシャ湾にガディール級小型潜水艦を配備したと、準国営タスニム通信が報じた。対艦巡航ミサイルを発射できる国産モデルであり、海峡通過を目指す船主の懸念は一層高まる見通しだ。

カタールからのLNGタンカー1隻は11日、海峡から引き返したとみられる。それでもカタール船1隻を含む複数の船舶は通過に成功している。

米海軍は駆逐艦1隻を同海峡に通過させるたびに数百万ドル規模の追加費用を負担しており、監視強化や戦闘機、ヘリコプターの支援を伴う緊張度の高い任務となっている。

米国とイランが今後の協議の基本的枠組みで一致できない状況は、イランの核開発計画の将来的な制限に向けた交渉の先行きを不透明にしている。トランプ氏は、イランがホルムズ海峡での航行を認める代わりに、米国がイランの港湾封鎖を解除し、その後に核協議を進める案を提示していた。

関係者によると、イランはこれに対し、凍結資産の解放や原油販売に対する制裁の撤廃も要求している。国営イラン放送(IRIB)はトランプ氏の和平計画を降伏に等しいと表現し、米国が戦争による損害賠償を支払わねばならないと伝えた。

原題:Trump Says Ceasefire With Iran Is on ‘Massive Life Support’ (4)(抜粋)

(UAEによるイラン攻撃についての情報を加えて更新します)

--取材協力:John Bowker.

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