ロシアのプーチン大統領が、ロシアが実効支配する北方領土の択捉島を訪れました。プーチン大統領が北方領土を訪れるのは初めてです。
机に並べられた魚を前に、関係者と話すプーチン大統領。
プーチン大統領
「こういうのを釣りましたか?」
「釣りました」
プーチン大統領
「どうでしたか?」
「簡単ではありませんでした」
ロシア大統領府は13日、プーチン大統領が北方領土の択捉島を訪れたと発表しました。水産加工場を視察したほか、病院や学校も訪問。住民とも交流しました。
国営メディアによりますと、プーチン大統領が北方領土を訪問するのは初めて。大統領による北方領土訪問は、2010年に当時のメドベージェフ大統領が国後島を訪れて以来、2人目です。
北方領土の元島民は。
北方領土の元島民 角鹿泰司さん
「プーチンとしては“私が領土に来る”ということは、まだまだ力があると誇示するためのことだろう」
今回の訪問の狙いについて、専門家は。
防衛研究所 兵頭慎治 研究幹事
「領土問題で妥協しないという、強いリーダー、指導者だと有権者に印象付ける。愛国心を高めたいという狙いがあるのでは」
来月下旬に下院選挙を控え、国内に向けたアピールだと指摘。訪問したのが択捉島だったことについては「軍の関連施設を視察した可能性がある」としています。
そして、もうひとつの狙いとして、「日本に対するメッセージでもある」との見方を示しています。
防衛研究所 兵頭慎治 研究幹事
「日本がウクライナ戦争が始まってロシアに制裁を科し、ウクライナに支援をするという姿勢に、ロシア側は苛立ってきた。日本の対ロ姿勢に対し、揺さぶりをかける狙いもあったのでは」
2019年 安倍晋三 総理(当時)
「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」
かつて、安倍政権時代には首脳会談を行うなど、お互い向き合う姿勢をアピールしてきた日本とロシア。しかし、ロシアのウクライナ侵攻後、日本が制裁を科し、関係が悪化しました。
択捉島訪問に先立つ12日、プーチン大統領は海軍の演習を視察するため、極東・サハリン州を訪問。
プーチン大統領
「当時、私たちが日本の指導者たちと建設的な関係を築いていたことを確認しなければならない。しかし、今、残念ながら立場に変化が見られる」
日本の対ロシア制裁を強く批判していました。
防衛研究所 兵頭慎治 研究幹事
「短期的には日ロ関係、残念ながら冷え込みは必至ということになる。プーチン政権の間は平和条約の締結交渉の復活は見通せない状況」
こうした中、高市総理はきょう午後、総理公邸で記者団の取材に次のように答えました。
高市総理
「ロシアの現職の大統領による今般の択捉島訪問は、北方領土に関する日本の一貫した立場と相いれません。日本国民の感情を傷つけるものであり、断じて許容できません」
高市総理はこのように述べ、「日ロ関係は厳しい状況にある中でも、日本はできる限りの努力を払ってきた」と強調したうえで、「今回の訪問は日本国内の対ロ感情を一層厳しくし、中長期的な関係回復を困難にしたと言わざるを得ない」とロシアを強く非難しました。
このあと、外務省がロシア側に対して直接抗議するということです。
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