政府・日本銀行は4月30日以降、合計で8兆6500億円から10兆800億円の為替介入を断続的に実施したと推定される。日銀が8日公表した当座預金増減要因などを基に算出した。

日銀は同増減要因を「予想」「速報」「確報」の3段階で公表している。推計はそのうち、為替介入を反映する「財政等要因」と短資会社による市場予想との差から算出する。今回の介入は2024年の大型連休中に行われた総額9兆7885億円の円買い介入規模を上回る可能性もある。

4月30日に実施した介入は予想値を基にすると約5兆4000億円、8日公表の確報値では約3兆8600億円と推定される。5月1ー6日は予想値で約4兆6800億円、速報値では約4兆7900億円規模となった。合計は予想値で約10兆800億円、30日の確報値と5月1ー6日分の速報値の合計で約8兆6500億円だった。

東短リサーチの高井雄一郎研究員は、日銀は為替介入の実行主体であることから、予想値の段階で財政等要因には為替介入額が正確に織り込まれているはずだと指摘。速報値や確報値での修正は為替介入以外の財政等要因による可能性が高いという。

特に4月30日分の決済日に当たる5月7日の資金需給については税金の国庫納付(税揚げ)による変動が影響するうえ、大きい場合は海外中央銀行などによる日銀の予期しない資金の動きが影響することが多いと説明した。

円は介入が行われた4月30日に対ドルで160円台から155円台に急騰。その後も5月1日、4日、6日と円が急伸する場面があった。6日は一時155円04銭まで買われたが、ドルに対してやや弱含んでいる。日銀のデータによると、大型連休明けとなる7日は見送った可能性が高い。

8日午後7時25分現在は156円台後半を推移しており、再び節目の160円に近づいた場合にさらなる介入を行うかに注目が集まる。来週に訪日する見通しのベッセント米財務長官が、円安に対する日本の対応についてどのような発言をするかも焦点となる。

SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジストは8日付のリポートで、4月30日分を含めて計10兆円規模の介入が行われたとの観測が支配的だと指摘した。輸入企業などのドル買い実需で円の上昇は限定的だが、投機筋のショート解消が進む中、さらに5兆ー10兆円規模で介入すれば、円高効果がいよいよ顕在化としている。

三村淳財務官は為替介入の実施について明言していない。介入の有無は財務省が29日午後7時に公表する月次ベース(4月28日-5月27日)の「外国為替平衡操作の実施状況」に反映される。日次ベースの介入額は4-6月分が公表される8月上旬にも判明する。

(情報を追加し、更新します)

--取材協力:間一生、船曳三郎、藤岡徹.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.