(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)ビットコインに積極投資する米ストラテジーは、保有している総額670億ドル(約10兆円)のビットコインを決して売却しないとの見方を揺るがしている。
同社は長年、ビットコインを最大限保有する思想を掲げてきたが、経営陣は5日、資本構成の改善や投資家向け指標となっている「1株当たりビットコイン」の増加につながる場合、売却を検討する可能性があると述べた。共同創業者兼会長のマイケル・セイラー氏は同社を不動産デベロッパーになぞらえ、将来的にビットコインを売却し得るシナリオを示した。

セイラー氏は決算説明会で「信用でビットコインを買い戻し、価値上昇を待ち、その後ビットコインを売却して配当を支払う。損益分岐点を上回る規模で信用を発行し続ける限り、このビジネスは永続的に機能し成長する」と述べた。
ストラテジーなど「デジタル資産トレジャリー(DAT)」企業と呼ばれる事業モデルは、昨年10月の暗号資産価格急落以降、圧力にさらされている。5日のコメントは、同社が単純な買い増しモデルから、負債コストや優先株の義務、株主需要に左右されるより複雑なバランスシート運営へと進化していることを浮き彫りにした。
ストラテジーのフォン・リー最高経営責任者(CEO)は「1株当たりビットコインの価値向上につながるのであれば、ビットコインを売却して現金化することや負債対応に充てることも検討する。ビットコインを絶対に売らないという姿勢を取り続けるつもりはない」と述べた。
ストラテジーはコメント要請に直ちには応じなかった。
暗号資産マーケットメーカーGSRの共同創業者リッチ・ローゼンブラム氏は、ストラテジーにとって恒久的な方針転換とはみていないと指摘。「ストラテジー株のプレミアム低下とビットコインの金に対する相対的なパフォーマンス不振の組み合わせが、現実を直視する転機となった可能性がある。弱気サイクル終了前にもう一段の下落があった場合に備え、利益確定して取得コストを引き上げる用意があるのだろう」と述べた。
原題:Strategy’s Saylor Signals Potential Shift to Bitcoin Sales(抜粋)
--取材協力:Matt Haldane.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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