6日のニューヨーク外国為替市場で、円は対ドルで155円台後半から156円台前半での推移となった。アジア時間には一時155円台前半にまで急騰した。市場では政府・日本銀行による断続的な介入があった公算が大きいとの見方が出ている。

円はアジア時間に一時、ニューヨーク終値比1.8%高い155円04銭まで上昇し、2月24日以来の高値を付けた。急騰前の取引では一時157円94銭まで売られていた。

政府・日銀は4月30日に2024年以来となる円買い介入を実施したことが明らかになっている。円は同日、一時ドルに対して約3%上昇した。日本の通貨当局は介入の有無について直接のコメントを避けているものの、事情に詳しい関係者は実施されたと述べており、日銀の当座預金増減要因を元に推定した介入規模は約5兆4000億円とされる。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の市場戦略グローバル責任者、エリアス・ハダッド氏は「この急速な値動きは、日本当局が広範なドル安の流れに乗じて介入を行ったことを一部反映している可能性がある」と述べた。

シドニーのナショナルオーストラリア銀行(NAB)の通貨ストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は、今回の円の急騰について「動きは、介入の特徴をすべて備えている」との見方を示した。「最近の値動きは、日本の財務省が円相場の160円方向への動きを阻止しようとすると同時に、投機筋が円売りポジションを取る意欲をそごうとしていることを裏付けている」と述べた。

財務省からのコメントは得られていない。

米銀ゴールドマン・サックス・グループのアナリストは、日本には先週と同規模の介入を30回行えるだけの余力があると分析している。ただし当局は外貨準備の消耗を抑え、より効果的なタイミングで介入することが見込まれる。

片山さつき財務相は3日に為替市場について「このところずっと投機的な動きは続いている」との認識を示していた。三村淳財務官も先週、政府・日銀が実施した為替介入に関してはコメントしないとしながらも「大型連休はまだ序盤」だとし、さらなる対応に踏み切る可能性を示唆していた。

ブルームバーグ・ストラテジストの見方:

「6日にドル・円は明確な理由が見当たらないまま急落しており、トレーダーらは日本当局によるドル売り介入の可能性を指摘している」

-MLIVストラテジスト、マーク・クランフィールド、関連記事はMLIV MLIV

財務省は、円が34年ぶりに160円台を付けた24年4月29日と5月1日に円買い介入を実施した。同年4月29日は1日当たりの円買い介入額として過去最大の5兆9185億円を投入した。円が1986年以来の安値(161円95銭)を記録した同年7月は、11日と12日の2日連続で合計5兆円超の介入を行った。

ラボバンクの為替ストラテジー責任者、ジェーン・フォーリー氏(ロンドン在勤)は「先週、財務省が投機筋に対して介入リスクを警告した際の表現は、非常に強いものだった」と述べ、「イラン戦争を巡る期待からドルが軟調だったこともあり、財務省が再び介入に踏み切る誘因となった可能性がある」と語った。

ウズベキスタンのサマルカンドで開催された国際会議に出席した片山財務相の同行筋は4日、3営業日連続で介入が実施された場合、1回の介入と見なされるとの国際通貨基金(IMF)の指針に言及した。IMFの基準では6カ月間で3回までの介入であれば、自由変動相場制と見なされるという。

クレディ・アグリコルCIBのシニアストラテジスト、デービッド・フォレスター氏は、IMFの指針に関する報道が、投資家に円を再び押し下げる動きを後押ししたとして、「その結果、157円付近を防衛するために財務省と日銀が再び介入する好機を与えたことになる。この水準は引き続き新たな『防衛ライン』のように見える」と語った。

また、シンガポールを拠点とするリード・キャピタル・パートナーズのジェラルド・ガン最高投資責任者(CIO)は「もし市場が急騰の要因は再度の為替介入だとみているのであれば、連休明けに国内のトレーダーによる円買いを促す可能性があり、重要なサポート水準である153円まで円高が進むかもしれない」との見方を示した。

(ニューヨーク市場での円の水準と市場関係者のコメントを追加して更新します)

--取材協力:梅川崇、横山桃花、松井玲.

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