(ブルームバーグ):中国の王毅外相は6日、イランのアラグチ外相を北京に迎え、海上交通の要衝であるホルムズ海峡の速やかな再開を求めた。トランプ米大統領の訪中を来週に控え、世界的な危機の緊張緩和に中国が取り組む意思があることを示唆した。
中国側の公式声明によると、「海峡の正常かつ安全な航行の回復について、国際社会は共通した懸念を抱いている」と、王氏はアラグチ氏に対して表明。「中国は、関係各国が国際社会の強い要請に一日も早く応じることを期待している」と続けた。
イラン外相による中国訪問は、米国とイスラエルがイランを攻撃し、史上まれに見る世界的な石油供給ショックを引き起こして以降で初めて。
イラン側の声明にホルムズ海峡への言及はなく、イランの自衛に対する決意と対話追求への意思をアラグチ氏は示したとするにとどまっている。ホルムズ海峡は米国とイランの和平交渉の争点となっている。
「イランは力を持って自衛し、いかなる悪に対しても対決する用意が完全にある一方で、同様に外交の分野においても真剣かつ一貫した姿勢を貫いている」とアラグチ氏は述べた。

また、イラン側の声明によると、アラグチ氏は王氏に対し、米国との交渉状況を説明。「国連憲章の基本的な原則を米国とイスラエルが違反したと非難した点において、中国の原則的な姿勢」を称賛した。
王氏は停戦を求める中国の姿勢をあらためて示し、「戦闘の再開は望ましくなく、交渉の継続がとりわけ重要だ」と、会談の冒頭で語った。
約1週間後の5月14-15日にはトランプ米大統領が中国の習近平国家主席と会談する。米中首脳会談ではイラン戦争が主要議題になる見通しで、これを前に中国とイランが足並みをそろえる狙いもイラン外相の訪問にはありそうだ。
イランとの協議を活発化させる一方で、中国はロシアとも緊密な接触を保っている。ロシアの経済紙ベドモスチによると、プーチン大統領も5月に中国を訪問する可能性が高い。実現すれば、同氏にとって今年初の外遊となる。
王氏との会談に当たり、アラグチ氏は中国が「歴史の正しい側に立ち」、米国が引き起こした戦争を非難する「建設的で断固とした姿勢」を示しているとして、謝意を表した。これは同氏の発言の中国語訳による。
中国政府はイランにとって重要な外交・経済面の後ろ盾で、中国はイランの石油輸出の約90%を購入している。両国は9週間に及ぶ戦争中も緊密な意思疎通を維持しており、両外相は電話会談を少なくとも3回実施した。
アラグチ氏の訪中は、米国がホルムズ海峡の通航再開に向けてイランへの経済的圧力を強める中で行われた。
ルビオ米国務長官は5日、ホワイトハウスで行われた記者会見で「中国がアラグチ氏に対し、伝えるべきことを伝えるよう願っている。つまり、ホルムズ海峡でとっている行動が、世界的な孤立を招いているということだ」と発言。「イランの海峡封鎖解除は中国の利益にもかなう。封鎖が中国の利益も損ねているからだ」と続けた。
米財務省外国資産管理局(OFAC)は先月、遼寧省で石油精製・化学複合施設を運営する恒力石化に対し、イランからの原油購入を理由に制裁を科したと発表した。一方、中国は企業に対し、米国の制裁を無視するよう前例のない指示を下した。
中国の習近平国家主席は海峡の封鎖解除を呼び掛けたことはあるが、中国政府はこれまで、海峡再開への協力を求める米国の呼び掛けに概して冷淡な反応を取っている。来週の会談は、両国の首脳がイラン戦争を対面で話し合う初の機会になる。
原題:China Urges Reopening of Hormuz in Talks With Top Iran Diplomat(抜粋)
(両外相の発言など情報を加えて更新します)
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