大西洋上を航行中のクルーズ船でハンタウイルスの集団感染が疑われていることを巡り、厚生労働省は6日、「現地で適切な健康管理が行われているとの情報を得ている」との認識を公表した。運航会社の発表によると、クルーズ船には日本人1人が乗船している。

厚労省は発表で、国立健康危機管理研究機構のハンタウイルスに対する評価を引用し、人から人への感染は一部のウイルス種を除き報告されていないと説明した。このため、仮に感染した乗客が日本に入国した場合でも、国内で人から人へ感染が拡大する可能性は低いことが示されているとした。

厚労省は、関係省庁と連携しながら情報収集などの対応を進めるとして、「国民の皆さまには冷静な対応をお願いします」と呼びかけた。WHOによると、人から人への感染は、密接かつ長期にわたる環境では報告されているものの、まれであるとしている。

WHOの感染症流行・パンデミック対策・予防担当ディレクター、マリア・バン・ケルクホーフ氏は説明会で、最初に症状が出て死亡したオランダ人男性は船外で感染した可能性が高く、その後、複数の濃厚接触者を感染させたとみられるとした。男性の妻もそのひとりで、すでに亡くなっている。ケルクホーフ氏は「非常に近い接触者の間で、ヒトからヒトへの感染があった可能性はあると考えている」と述べた。

運航会社であるオランダのオーシャンワイド・エクスペディションズによると、クルーズ船には23カ国からの乗客乗員約150人が隔離されている。WHOによると、このうち発症したのは合計7人だという。既に3人が死亡した。

クルーズ船は約3週間前にアルゼンチン南部を出航し、カボベルデを経由してカナリア諸島へ向かっていた途中で、複数の島にも寄港している。人から人へ感染する可能性があるアンデス型変異株が疑われているが、検査結果待ちでまだ確定していない。

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