ゴールデンウィークの東京は、出歩くには最高のタイミングかもしれない。まだ気温は高すぎず、雨も少ない。

ここ数年で、東京の様相は大きく変わった。長引く円安に後押しされ、外国人観光客が急増している。渋谷や六本木、銀座のような大きな街を歩けば、日本語と並んでさまざまな外国語が聞こえてくる光景も、今や当たり前となった。

東京の「食」は多くの人々を引き寄せている。寿司やラーメンといった、すでに世界でよく知られた日本食はもちろん、世界各国の味を比較的安価な値段で楽しめる。紹介制の高級店から手頃な立ち飲み屋まで、毎月新しいレストランやバーが現れては、厳しい東京の消費者のジャッジにさらされている。英語メニューを用意している店も増え、外国人が飲食店を利用する際の利便性も増してきた。

とはいえ、数多ある選択肢から、お気に入りの店を見つけるのは至難の業だ。本記事では、洗練された割烹からカルト的な人気を誇るラーメン店まで、5店を紹介する。訪日客に喜ばれそうな店中心だが、日本人に好評のフレンチレストランも選んだ。

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銀座しら石別邸(中央区銀座)

銀座は昼も夜も観光客や買い物客で騒がしい。だが、地下にあるしら石別邸への扉を開くと、雰囲気は一変し、隠れ家のような静かな空間が広がる。

今年2月、銀座中心部に開店した銀座しら石別邸は、カウンター中心のこぢんまりしたレストランで、魚介を中心とした和食を提供する。

カウンターには、シェフらの目利きで仕入れた、日ごとに違うお薦めの魚や野菜が並び、来店者は目を奪われる。こうした食材を、好みの調理法、またはシェフが薦める調理法で、日本酒や焼酎と合わせていただく。

筆者が4月上旬に訪問した際は、マグロやヒラメ、サワラの刺身に加え、山菜の天ぷらを楽しんだ。シンプルな調理法で、新鮮な旬の食材の魅力を十分に感じられた。

旬の食材は時価が多いが、「天ぷらの盛り合わせ」(3300円)や刺身の「おまかせ5種盛り合わせ」(5500円)といった固定メニューもある。

(東京都中央区銀座8-4-27 菊乃香ビル地下1階)

讃岐うどん 香川一福(千代田区内神田など)

香川一福は、讃岐うどんの味を手軽に本格的に楽しめる店として、ビブグルマンを受賞したこともある。東京のビジネス街、神田にある本店は、昼時になると周辺のビジネスマンが行列をつくる。

店内に入ってすぐの券売機で、うどんの種類と天ぷらを選ぶ。出汁のきいたスープがかかった、最もシンプルな「かけうどん」(530-680円)のほか、「カレーうどん」(880-990円)などを提供している。天ぷらもかき揚げやとり天、卵天、ちくわ天など種類豊富で迷ってしまう。

うどんは一般的な讃岐うどんと比べると若干細めで、つるりと口に入ってくるが、かむと力強い弾力があり、小麦のうまみが口いっぱいに広がる。

人気メニューの一つは、ゆでたての熱々のうどんに、生卵の黄身としょうゆをかけて食べる「釜玉」(630-780円)だ。提供されたらすぐ、全体をよく混ぜて食べる。うどんの熱で固まりかけた卵がよく絡み、日本風カルボナーラのような味わいだ。これにバターを乗せた釜玉バターも捨てがたい。

(東京都千代田区内神田1-18−11 東京ロイヤルプラザ 102 )

アルカナ東京(千代田区丸の内)

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東京で質の高いフレンチを見つけるのは、パリと同じくらい簡単だ。ただし、日本らしい独自のひねりを加え、それを驚くほど手頃な価格で提供する店はそう多くない。アルカナのランチはわずか7300円で、飯野昭人シェフが得意とするリゾットを含む5皿を楽しめる。

料理だけでも訪れる価値は十分だが、立地も大きな魅力だ。店は、丸の内、東京駅に隣接するKITTEビル6階の奥にひっそりとあり、小さな入口は見過ごしてしまいそうだ。だが、一歩中に入ると落ち着いたダイニング空間が広がり、席からは駅に出入りする新幹線を見下ろすことができる。テラスには緑も多く、ゆったりとした時間が流れる。サービスは行き届いており、フレンドリーだ。

前菜には、クラシックなフレンチのポロネギのスープに、クリーミーなウニのフランが忍ばせてある。リゾットにはほのかにワサビの風味が効いており、タケノコや海苔が添えられる。

デザート選びも悩ましい。パティシエの田中宏明氏は、近くにあるパレスホテルで修業を積んでいる。4月に訪れた際は、見た目にも美しいクレープ・シュゼット、中心がとろりとしたモワルー・オ・ショコラにピスタチオソースとマスカルポーネアイスを添えた一皿、季節のフルーツを使ったイチゴのパフェなどが並んでいた。

(千代田区丸の内2-7-2 KITTE 6階)

日本橋海鮮丼 つじ半(中央区日本橋など)

高級な寿司というより、よりカジュアルなスタイルで、日本人が慣れ親しむ寿司ランチを楽しみたい人に、つじ半はうってつけだ。日本橋の本店だけでなく神楽坂や六本木、さらには台北や香港にも店舗を展開している。すでに一部の外国人観光客にはよく知られている存在で、多くの店舗でランチ時間帯には行列が見られる。

訪れた人は、目の前に提供された「ぜいたく丼」の美しさに魅了されるだろう。ご飯の上に、細かく切ったマグロやエビ、イカ、貝類などさまざまな海鮮がうず高く盛られ、特製の黄身しょうゆをかけて食べる。一口食べれば、口の中でさまざまなうま味が食感と共に弾ける。もう食べる手が止まらない。

食事の後半にはさらなる楽しみが待っている。丼を半分ほど食べたところで、ごまだれであえた刺身を上に乗せ、カウンターにいるシェフに一声かける。すると、シェフはそこに特製のだし汁をかけ、豪華な「お茶漬け」を作ってくれるのだ。具材のおいしさと、魚介のうまみが詰まっただし汁の味わいが合わさり、滋味深い。「食べきれないかも」と思っていたあなたも、最後まで食べ進めてしまうだろう。

ぜいたく丼は梅(1350円)、竹(1850円)、松(2500円)、特上(3900円)がある。価格が上がるほど、ウニやいくら、カニのトッピングが追加される。

(東京都中央区日本橋3-1-15 久栄ビル1F)

ラーメン二郎(港区三田など)

数あるラーメン店の中でも、二郎は熱狂的なファンを持つ。首都圏を中心に数十軒ある店舗では、どこも「ジロリアン」と呼ばれる熱心な二郎ファンが行列を作っている。

二郎が提供するラーメンは独特だ。太めの麺に、濃厚なスープ、野菜や豚肉があふれんばかりに盛られている。初めて訪れる人は、一般的なラーメンの2倍以上の量を想定しておいた方がいい。小ラーメン(700円)でも、想像を上回るボリュームだ。ニンニクや野菜、油の量は、注文時に自分好みに調整できる。

ブルームバーグ・ターミナルの利用者がレストラン情報を交換するDINEで、レビュワーの一人は「脂と極太麺のミックスは最高です。一度食べたらまた来たくなる。そんな店です」とコメントした。

ラーメン二郎は原則としてメディアの取材を受け付けておらず、公式ホームページも持たない。だがネット上では、常に熱心なファンが最新情報を交換し続けている。

(東京都港区三田2-16-4)

原題:The Best Restaurants in Tokyo, From Value Sushi to Viral Ramen(抜粋)

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