(ブルームバーグ):原油価格はニューヨーク時間4日の取引で上昇した。中東で重要なエネルギーインフラやタンカーが再び攻撃を受けるなど、米国とイランの対立の緊張が一段と高まった。約4週間にわたる停戦が揺らぐ懸念が強まった。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前営業日比4.48ドル(4.4%)高の1バレル=106.42ドルで終了。北海ブレント先物7月限は6.27ドル(5.8%)上昇して114.44ドルで終了した。
北海ブレント原油は一時6.6%上昇し、115ドルを上回る場面もあった。アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラにある主要な石油関連施設では、イランによるドローン攻撃で火災が発生した。また、UAEはイランからのミサイル攻撃に対し、防空システムが対応していると明らかにした。
ホルムズ海峡でタンカーが攻撃を受けたとの報告が相次いだことも、原油相場の押し上げ材料となった。海上輸送の要衝である同海峡を巡る米国とイランの対立は、原油供給の混乱長期化につながる恐れがあり、景気減速やインフレ加速への懸念を高めている。
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「市場は再開が順調に進展するものではなく、曲折を伴う不確実なプロセスになるという現実に直面し始めている」と述べた。さらに、ホルムズ海峡の再開時期についての見通しは6月から早くても7月初旬へと後ずれしていると指摘した。
フジャイラは原油と石油製品の双方の主要な拠点であり、ホルムズ海峡の外側に位置することから重要性が高まっている。イラン準国営のタスニム通信は4日、同国がホルムズ海峡の「管理区域を再定義」したと報道。その範囲はイランのモバラク山南方からフジャイラ南方まで及ぶとしている。
こうした報道を受け、すでに少なくとも13隻の船舶が同海域から航路を変更した。世界的な供給逼迫がさらに悪化する恐れがある。
3日にはトランプ米大統領が、ペルシャ湾に足止めされている中立的な一部船舶を対象に、米国がホルムズ海峡を通過させる誘導を開始するとSNSに投稿。これを「人道的な措置」と位置付けていたが、その後ホルムズ海峡を巡って緊張が高まっている。イラン側は、米軍が海峡に入れば攻撃すると警告した。
米中央軍は3日、ホルムズ海峡での商業航行を回復させるため、誘導ミサイル駆逐艦や航空機、ドローンの活用を含む軍事支援を提供すると発表した。
しかし、ブルームバーグの取材に応じた複数の船主や船舶管理会社の関係者は、より具体的な詳細に加え、機雷やイランの攻撃に対する安全確保についての確約が必要だと指摘した。いずれの関係者も、機微な問題であることを理由に匿名で語った。

A/Sグローバル・リスク・マネジメントのチーフアナリスト、アルネ・ローマン・ラスムセン氏は「海峡が近く再開するとの声は少ない」と指摘。米国の最新の取り組みを巡り「市場はイランの対応を注視するだろう」と語った。
一方、米中央軍は、米国旗を掲げた商船2隻がホルムズ海峡の通過に成功したと発表し、商業航行の回復に向けて軍が積極的に取り組んでいるとした。
原題:Oil Surges After Iran Strikes Energy Facility in UAE’s Fujairah(抜粋)
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--取材協力:Nathan Risser.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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