(ブルームバーグ):24日の米株式市場ではS&P500種株価指数が反発し、最高値を更新した。米国とイランによる和平協議が再開されるとの期待が高まった。インテルが市場予想を大きく上回る売上高見通しを示したことや、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長に対する刑事捜査の終了も、相場を押し上げた。
ニューヨーク原油先物相場は下落。外国為替市場で円は対ドルで買われ、1ドル=159円台前半で推移した。
この日はナスダック100指数も最高値を更新。S&P500種は週間ベースでは4週連続高と、2024年以来最長の上昇局面となった。
トランプ米大統領は、イランとの協議のためにパキスタンに特使2人を派遣する。ホワイトハウスのレビット報道官は、FOXニュースのインタビューで、ウィトコフ米特使とトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が今週末の協議に参加する予定だと明らかにした。両氏は25日に出発する予定だという。
イランのアラグチ外相は米国の交渉団と会う計画であり、和平案への回答を書面で示す意向だとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。
和平交渉が再開され、ホルムズ海峡の封鎖解除につながることを期待し、トレーダーらは米・イラン双方の動向を注視していた。この日の株式相場は地政学的リスクが続いているものの、好調な決算となお堅調な経済に押し上げられた。
インタラクティブ・ブローカーズのシニアエコノミスト、ホセ・トーレス氏は「ウォール街は前日の下げから持ち直している。投資家は企業業績や地政学、金融政策に関するニュースを好感している」と指摘。「さらに、インテルの好調な四半期決算が半導体株の歴史的な上昇を後押ししており、人工知能(AI)革命の成長余地はなお大きいとの確信が強まっている」と述べた。
エドワード・ジョーンズのアンジェロ・クルカファス氏は、地政学的なニュースや原油価格の変動に対する市場の反応が鈍くなってきていると指摘。企業業績の力強い伸びが主な理由だとの見方を示した。

世界的なハイテク株の取引回復も、投資家の楽観を後押ししている。フィラデルフィア半導体株指数は18営業日連続で上昇。インテルは過去最高値を更新した。
アルファベット傘下のグーグルは、アンソロピックに100億ドル(約1兆5900億円)を投資する。さらに最大で300億ドルを追加投資する可能性もある。人工知能(AI)の開発で協力関係にある一方、競合関係にもある両社の結び付きは一段と強まる。
来週にはハイテク7社で構成する「マグニフィセント・セブン」のうちの5社、アマゾン・ドット・コムとアルファベット、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アップルが決算を公表する。
米司法省はFRB本部改修を巡る捜査を打ち切る。トランプ米大統領が次期FRB議長に指名したケビン・ウォーシュ氏の承認に向けた道が開かれる可能性がある。
国債
米国債は上昇(利回りは低下)。ウォーシュ氏が議長に就任すれば、利下げを推進するとの期待がある。
金融政策に敏感な2年債利回りは一時6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。ただし、捜査の終了は一部で既に織り込まれていたほか、ウォーシュ氏が議長就任後にどの程度FRBに影響力を及ぼせるのかは未知数であるため、この日の値動きは限定的だった。
米国債は週間では4月に入って初の下落となった。中東情勢を巡る不透明感が背景にある。
TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ヤン・ネブルジ氏は「市場はケビン・ウォーシュ氏への移行を織り込みつつある」と指摘。「同氏がよりハト派的な姿勢を打ち出すとの見方が前提となっている」としつつ、「就任するまでは何ら目新しい重要材料は出てこないだろう」とし、相場のは限定される可能性があると述べた。
PGIMのチーフ投資ストラテジスト兼グローバル債券責任者ロバート・ティップ氏は、「ウォーシュ氏の発言がバランスが取れたもので、証拠に基づくものだったことから、議長に就任すれば、データを踏まえて必要な対応を取り、周囲の要求に流されることはないとの見方が広がった」と話した。
今後はパウエル議長の去就に焦点が移る。来週の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でこの問題について質問を受ける可能性が高い。
外為
外国為替市場ではドルが下落。対円では一時1ドル=159円31銭まで売られた。
DZバンクのFXアナリスト、アンディ・コッサー氏は「週末を通じて、市場参加者は中東情勢を注視し、今の『戦争でも平和でもない』状態がどちらに転ぶのか見極めることになる」と述べた。
米ミシガン大学が発表した4月の消費者マインド指数(確報値)は前月比で低下し、過去最低となった。イラン戦争がもたらす経済への悪影響に、消費者が懸念を強めている状況が反映された。
来週は日本銀行も金融政策決定会合を開く。今回は政策金利を0.75%程度に据え置く公算が大きいとみられている。

原油
ニューヨーク原油相場は5日ぶりに下落。米国とイランの和平協議が実現する可能性が浮上し、ホルムズ海峡を通るエネルギー輸送再開への期待が高まった。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は一時3.3%下落。ホワイトハウスのレビット報道官は、ウィトコフ米特使とトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が今週末の協議に参加する予定だと明らかにした。
一方、イランは戦争終結に向けた協議の可能性について、より悲観的な姿勢だ。準国営メディアのタスニム通信は先に、アラグチ外相の訪問中に米国との協議は設定されていないと報じていた。
それでも今回の動きを受け、交渉を巡る不確実性や強硬発言の応酬、軍事的脅威の高まりを背景に今週積み上がってきた地政学的リスクプレミアムの一部が剥落した。ホルムズ海峡が事実上閉鎖された状態が続く中、トレーダーは協議再開の兆候と、それが一定の緩和につながるかを見極めようと、米・イラン双方の代表団の動向を注視してきた。

マッコーリー・グループのグローバル通貨・金利ストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏は最近の動きについて、「米・イラン紛争においては実際の戦闘段階が終わりつつある、あるいは既に終わり、経済戦争の色彩が強まり始めたとの見方を、市場は徐々に受け入れている」と指摘した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は、前日比1.45ドル(1.5%)安の1バレル=94.40ドルで終了。北海ブレント先物6月限は26セント(0.25%)上昇し、105.33ドルで引けた。
金
金相場は反発。米国とイランが和平協議に向かうとの期待が高まった。また、司法省がパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長を巡る捜査を打ち切ったことを受け、市場では政策金利の見通しも意識された。
連邦地検のピロ検事正は、FRBの本部改修費の超過を巡る捜査を打ち切ると表明。これを受けて債券利回りが低下する中、金は上昇した。
2月末の戦争開始以降に見られるエネルギー価格上昇で、インフレ圧力は長期化するとの懸念が強まっている。インフレ圧力が根強く続けば、FRBなど中央銀行は金利を長期にわたり高水準で維持する、あるいは利上げに踏み切る可能性さえある。そうなった場合、利息を生まない金投資にはマイナス要因となる。
金はここ数週間、中東情勢を巡るニュースが相次ぐ中で狭いレンジで推移している。戦争の初期に投資家が現金確保のため金を売却したこともあり、戦争開始以降ではなお約10%下落している。
一方、FRB本部改修を巡る捜査の終了により、トランプ大統領が指名したケビン・ウォーシュ氏のFRB議長承認に向け、道が開かれる可能性がある。
ウォーシュ氏はインフレに対してタカ派的な姿勢で知られる。投資家は同氏がトランプ大統領の求める積極的な利下げを実施するとはみておらず、漸進的に引き下げる慎重な対応を取ると見込んでいる。

スポット価格はニューヨーク時間午後2時26分現在、26.45ドル(0.6%)高の1オンス=4720.59ドル。 ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は16.90ドル(0.4%)高の1オンス=4740.90ドルで引けた。
原題:Stocks Hit Record Highs on US-Iran Talk Optimism: Markets Wrap(抜粋)
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