(ブルームバーグ):米政府は17日、タンカーに積載済みのロシア産原油の販売を一時的に認めるライセンスを新たに発行した。価格急騰を抑える取り組みの一環だ。
制裁対象のロシア産原油に適用されていた一時的な販売許可は、11日に失効していた。米財務省の17日の発表によると、「一般ライセンス134B」は、「4月17日までに船舶に積載されたロシア連邦産原油および石油製品の引き渡しおよび販売を許可する」内容で、5月16日までの時限的措置。
ベッセント財務長官は15日、特定のロシア産およびイラン産原油の一時的な販売を認める一般ライセンスは更新しないと述べていたが、今回の決定は方針転換を示唆する。イラン産に対する適用除外措置は19日に期限切れとなる予定。
イランでの戦争が始まって以来、原油価格は高騰しており、米国のガソリンを含む世界の燃料価格を押し上げている。この紛争により、世界の石油の約5分の1が通過する重要なエネルギー輸送路であるホルムズ海峡が事実上封鎖される事態を招いた。
イランのアラグチ外相が17日、レバノンを拠点とする親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエルの10日間に及ぶ停戦期間中、海峡は商船の航行に「完全に開放されている」と表明したことを受け、原油や天然ガスの価格は大幅に下落した。
今回のライセンス発行により、燃料不足の深刻化に苦しんでいる国々にはさらなる供給の道が開かれる。一部のアジア諸国は、原油供給の混乱による痛みが増す中、トランプ政権に対しロシア産原油の適用除外措置を更新するよう求めていた。
しかし、欧州諸国などはこの措置がロシアを潤し、同国によるウクライナ侵攻後に発動された制裁を弱体化させると批判している。
金融機関や政府などに助言するコンサルティング会社オブシディアン・リスク・アドバイザーズのマネジング・プリンシパル、ブレット・エリクソン氏は、前回のロシア産原油の適用除外措置は「世界のエネルギー市場を大きく沈静化させることに失敗し、ロシアに多額の収入をもたらす結果となった」と指摘。「今、トランプ氏は敵に贈り物をしている。米政府は最小限の経済的救済のために多大な代償を払い続けている」と述べた。
原題:US Again Allows More Russian Oil Sales to Help Control Prices、US Extends License Authorizing Sale of Some Russian Oil(抜粋)
--取材協力:Romy Varghese、Shamim Adam.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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