(ブルームバーグ):ヘッジファンドがドルに対する弱気な見方を強めている。米国とイランの協議再開の可能性や和平合意への期待を背景に、戦争で押し上げられてきたドル高の勢いが一服している。
モルガン・スタンレーのトレーディングモデルによると、投資家は4月1-10日にドルに対する弱気ポジションを積み増した。
オプション市場では、ブルームバーグ・ドル・スポット指数のいわゆるリスクリバーサルで、ドル高に備えるヘッジとドル安に賭ける取引とのプレミアム格差が今月に入り縮小している。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアジア太平洋地域G10外為取引責任者アイバン・スタメノビック氏は、「足元の動きを見る限り、ヘッジファンドは不安定な相場環境を利用してドル売りに動いている。押し目で買うのではなく、上昇局面で売っている」と述べた。

ドルの反転は急速に進んだ。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は3月に2.4%上昇し、月間ベースで昨年7月以来の大幅高となった。中東紛争を受けた安全資産需要がドルを押し上げた。
しかし4月に入って以降、同指数は1.8%下落。14日まで7営業日続落となった。米国とイランが6週間に及ぶ紛争の終結に向けた協議を開始したことが背景にある。
モリー・ニコリン、デービッド・アダムズ両氏らモルガン・スタンレーのアナリストは「ドル安に向かう道筋は狭まるどころか広がっている」と14日のリポートで指摘。「停戦は短期的にはリスク通貨への追い風となり得るが、中期的にはドル安はユーロや円、スイス・フランといった対主要通貨でより顕著になる可能性がある」と続けた。
ドル売り圧力は、2週間の停戦が発表された先週に強まり始めた。これを受けて、ブルームバーグのドル指数は過去2カ月余りで最大の下げを記録した。
ノムラ・インターナショナルのG10スポット取引責任者アントニー・フォスター氏(ロンドン在勤)は、「ヘッジファンド勢はドル売りの機会を待っていた。最初の停戦がそのきっかけとなった」と分析した。
原題:Hedge Funds Pivot to Bearish Dollar Bets as Peace Hopes Rise (1)(抜粋)
--取材協力:Naomi Tajitsu.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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