(ブルームバーグ):米鉱業・建設機械大手キャタピラーが、自動運転の電動トラクターを手がけるスタートアップ、モナーク・トラクターを買収したことが分かった。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。
最盛期には、農業分野でテスラになぞらえられたモナークだが、事業拡大の過程で問題に直面し、ここ数カ月で人員削減を行っていた。同社は先週のリンクトインへの投稿で、自社の技術が「大手のグローバル機器メーカー」に買収されたと明らかにしたが、企業名は公表していなかった。2人の関係者は公に発言する権限がないとして匿名を条件に語った。
キャタピラーおよびモナークはこの件に関するコメント要請に応じなかった。
モナークは投稿で、「農業分野において新たなトラクタープラットフォームを構築し拡大するには、予期しない課題が伴った。われわれは難しい決断を下さなければならなかった」とし、製造から自社技術のライセンス提供への転換理由を説明した。時価総額約3690億ドル(約58兆6700億円)のキャタピラーで建設機械は中核を占める。
モナークは、炭素削減ソリューションの商業化に苦戦する気候テック企業の最新の例となった。過去4週間だけでも、グリーンセメントを手がけるサブライム・システムズが従業員3分の2を削減し、バッテリーリサイクル企業アセンド・エレメンツが連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を行った。

2025年の気候テックへの投資は前年と比べてわずかに増加したが、投資家の資金は主にデータセンター建設に関連する限られた分野に集中した。農業向けのグリーンスタートアップに対しては、投資家の見方はより悲観的になっている。
ブルームバーグNEFの統計によると、昨年、農業分野に特化したクリーンテックには、世界全体でベンチャーキャピタルから合計13億ドルが投じられたが、これは22年の投資額のおよそ3分の1にとどまる。今年1-3月(第1四半期)の同分野のエクイティーファイナンスは1億4100万ドルに過ぎず、直近4四半期平均と比べて50%減少した。
ピッチブックのデータによると、モナークは買収前に、アスタナー・ベンチャーズ、アット・ワン・ベンチャーズ、フォックスコンの関連ファンドであるHH-CTBCパートナーシップなどから、合計2億5100万ドルを調達していた。
原題:Caterpillar Acquires Self-Driving Electric Tractor Startup (1)(抜粋)
--取材協力:Jacob Lorinc.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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