(ブルームバーグ):米国とイランは数日以内にも再会合を開く方向で調整している。一方、ホルムズ海峡での対立激化で世界的なエネルギー危機が一層悪化し、外交の見通しが複雑になっている。
事情に詳しい関係者によると、今月7日の停戦合意の期限が来週切れる前に新たな協議を行うことが目的だ。開催地は先週末に1回目の直接交渉を実施したパキスタンが提案されている候補の一つだが、他の場所も検討されていると、関係者は述べた。
ニューヨーク・ポストがトランプ大統領へのインタビューを基に報じたところによれば、同氏は協議がパキスタンで「2日以内に開かれる可能性がある」と述べた。週末にイスラマバードで行われた長時間の協議は結論に至らなかったが、その延長線上にある動きだ。
一方、米国はイランの原油輸出を抑えるため、ホルムズ海峡の海上封鎖を進めている。戦略的要衝である同海峡の支配を巡る攻防は激しさを増している。
米国は艦艇12隻超による艦隊を編成し、24時間体制で封鎖を実施。駆逐艦や強襲揚陸艦トリポリのほか、F-35戦闘機や臨検を行う海兵隊部隊、必要に応じて機雷除去を支援できる沿海域戦闘艦「キャンベラ」などが含まれる。
米政府当局者によると、これらの艦艇はイラン沿岸やホルムズ海峡内ではなく、オマーン湾に集中配備されている。湾内に分散することでより広い海域で機動や補給を可能にする狙いがあるほか、イランの対艦巡航ミサイルを回避し、必要に応じて海兵隊による臨検が可能になるという。
米財務省は14日、イラン産原油の一部購入を一時的に認めていた適用除外措置を今週末で失効させると発表した。ロシア産原油の購入を認める制裁の適用除外も先週失効している。いずれも6週間にわたる戦闘による世界的なエネルギーショックを和らげる目的だった。
事情に詳しい関係者によると、イランは米国の封鎖を突破しようとする動きにより、新たな和平協議が頓挫する事態を避けるため、ホルムズ海峡経由の海上輸送を一時的に停止することを検討している。
北海ブレント原油先物は14日の取引で約5%下落し、1バレル=95ドル弱で終えた。現物の原油市場では深刻な供給不足の兆候が続いている。世界で最も重要な現物指標とされるデーテッドブレントは、依然として120ドルを上回る水準で取引されている。
国際エネルギー機関(IEA)は14日、ジェット燃料やガソリンなどの価格急騰がすでに消費者を圧迫していると指摘し、今年の世界石油需要が2020年以降で初めて減少する見通しを示した。
協議模索
今回の協議再開に向けた動きは、パキスタンでの初回交渉が不調に終わった後も、双方が外交努力を放棄していないことを示している。
バンス副大統領は14日のイベントで、交渉は前進しているものの、トランプ氏は「小さな合意ではなく、大きな包括合意を望んでいる」と指摘。「合意がまだ成立していないのは、大統領がイランの核兵器保有を阻止し、国家としてのテロ支援をやめさせると同時に、イラン国民が繁栄し世界経済に参加できるような合意を強く望んでいるためだ」と語った。
スイスは戦争終結の取り組みに外交的な支援を提供する用意があると表明した。中立国のスイスは、米国とイスラエルが2月末にイラン攻撃を開始する前、イランの核開発計画を巡る協議の場を提供していた。
戦闘は停戦合意直後からおおむね収まっており、楽観的な見方を支えている。ただレバノンでは、イスラエルが親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する軍事作戦を継続している。
イスラエルとレバノンの協議は14日、ワシントンで始まった。レバノン政府によると、同国ではイスラエルによる攻撃で2000人以上が死亡し、100万人以上が避難を余儀なくされた。
イスラエルのライター駐米大使は記者団に対し、会合は生産的だったと述べ、レバノンをヒズボラによる「占拠」からの解放する点で両国政府の立場は一致していると説明した。
一方、インドのモディ首相は、ホルムズ海峡についてトランプ氏と協議したと明らかにした。中東地域から燃料を大量に輸入しているインドにとって、同海峡の封鎖は特に深刻な問題となる。ホワイトハウスは電話会談を確認したが、詳細は明らかにしていない。
原題:US, Iran Seek More Ceasefire Talks Amid Hormuz Blockade (2)(抜粋)
(バンス副大統領の発言などを追加して更新します)
--取材協力:Courtney McBride、John Bowker、Devika Krishna Kumar.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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