(ブルームバーグ):トランプ米大統領がイタリアのメローニ首相を非難した。トランプ氏を強く支持してきたメローニ氏だが、イラン戦争やトランプ氏によるローマ教皇レオ14世批判には異議を唱えている。
トランプ氏はイタリア紙コリエレ・デラ・セラとの約6分間のインタビューで、メローニ氏には「ショックを受けた」とし、「彼女は勇敢だと思っていたが、それは間違いだった」と述べた。このインタビューはイタリア語で掲載された。
トランプ氏のこうした発言は、かつてメローニ氏を「美しい若い女性」で、欧州を「席巻」したと称賛していた従来の姿勢をほぼ完全に転換させたことを示している。
両者の関係悪化は、イタリアがイラン戦争における戦闘作戦のためのシチリア島の基地使用を米国に認めなかったことをきっかけに表面化した。中東戦争から距離を置く姿勢のメローニ氏は14日にはイスラエルとの防衛協定更新を凍結した。

対立は個人的な側面にも及んでいる。トランプ氏は12日、レオ14世を「犯罪に対して弱腰」で外交政策にとって有害などと攻撃し、メローニ氏は翌日、この発言を「受け入れられない」と批判した。
コリエレ紙とのインタビューでトランプ氏は、「受け入れられない」のはメローニ氏の方だとし、「イランの核兵器保有に無関心で、イランはもし可能ならイタリアを短時間で壊滅させることもいとわないだろう」と述べた。
また、メローニ氏について「北大西洋条約機構(NATO)でわれわれを助けることや核兵器の排除に協力する意思がない」と主張し、「私が考えていたのとは大きく異なる人物」だとも語った。
トランプ氏はこれまでも同盟国を挑発し、米国のNATO離脱やデンマーク自治領グリーンランド侵攻を示唆してきたが、今回の発言はメローニ氏にとってむしろ追い風となる可能性がある。メローニ政権は憲法改正を問う先月の国民投票で敗北した後、景気減速やエネルギー価格の高騰にも直面し、苦境に立たされていた。
ルイス大学(ローマ)の研究者ロレンツォ・カステッラーニ氏は、「メローニ氏はトランプ氏から距離を置くきっかけを探しており、今回の正面攻撃がそのチャンスを与えた」と指摘し、「教皇への攻撃や経済の不確実性により、トランプ氏との連帯が持続可能かどうかの判断が揺らいだ可能性が高い」と述べた。
トランプ氏の発言に対し、メローニ氏はすぐに反応しなかった。
タヤーニ外相は、イタリアは米国の「強固な同盟国」であり続けるとした上で、「その結束は相互の忠誠と尊重、率直さによって築かれるべきだ」とコメント。真剣に物事に向き合う人間は自らの考えを率直に述べるものだとし、「これまでトランプ氏はメローニ氏を勇敢な人物と評価してきたが、それは間違いではない。彼女は自身の考えを述べることを決してためらわず、教皇についても多くのイタリア国民と同様の見解を示した」と擁護した。
メローニ氏はこれまでおおむねトランプ氏を支持してきたが、時に反論することもあった。昨年12月にはトランプ氏の物議を醸す国家安全保障戦略を巡り、欧州にとって警鐘となるべきだと述べた。
昨年8月にウクライナ和平交渉を促進するため欧州首脳がワシントンに集まった際には、NATO加盟国が国防支出を国内総生産(GDP)の5%へ引き上げることで合意していたにもかかわらず、トランプ氏が欧州連合(EU)に対する関税引き上げを主張する理由について、同氏に説明を求めたと報じられている。
原題:Trump Slams Meloni, Deepening Fallout From His Pope Attack (1)(抜粋)
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