第一ライフグループはプライベートクレジットへの新規投資について、運用委託先の選定をより厳格化する方針だ。海外で個人投資家を中心とした解約請求が表面化していることなどから、外部機関も活用しながらグループ全体で投資に関するリスク管理体制を強化する。

オルタナティブ投資ユニット長の片岡正史専門役員はインタビューで、足元の市場環境を受け、「運用会社の選定を見直している」と述べ、より慎重に検討していく考えを示した。すでに運用会社との間で個別に結んだ契約は継続する。

プライベートクレジットには信用力の低い企業向けの債権などが含まれ、比較的高いリターンが特徴だ。市場規模は米欧を中心に1兆8000億ドル(約290兆円)に上るとされる。しかし、融資先企業の破綻を受けて米ファンドなどに信用不安が高まる中、投資家のリスク管理強化が求められている。

片岡氏は運用委託先の分析について、投資セクターに偏りがないか、機関投資家の資金を中心に長期間一定額で運用が継続されているかなどを重視し、従来より時間をかけて選んでいくと説明した。運用会社の間でリスク管理を含めた運用力の差が拡大しているとみて、選定方法などを見直す。

また、データ分析などを行う外部機関も活用し、委託先ファンドなどの資産ポートフォリオ(構成)のバランスやリスクの予兆管理などを可能とする体制を整えていく方針も示した。

国内大手生保は株式や債券に代わるオルタナティブ(代替)投資の一環としてプライベートクレジット投資を拡大している。企業に直接融資するファンドへの第一生命保険単体の投資残高は、2025年12月末時点で1200億円。投資実績は24年度が500億円、25年4-12月は400億円だった。

米国では個人富裕層向けのプライベートクレジットファンドで解約請求が上限を大幅に超えるケースがある一方、機関投資家向けでは資金流出は抑制されている。金融庁は、日本の金融機関の関連残高は「限定的」で、リスク管理も高度との認識を示している。

第一ライフでは、保有株式の削減に伴い株式の配当収入が減る見込みの中で、プライベートクレジットはそれを補う運用先になるとみている。米現地法人やヘッジファンドで勤務経験があり、約20年にわたりオルタナ投資に携わってきた片岡氏は、運用会社の選択とリスク管理を徹底していけば「長期的には魅力的な資産だ」と述べた。

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