(ブルームバーグ):記録的な規模の新規株式公開(IPO)で、極めて低い手数料率で契約をまとめた米スペースXは、投資銀行団からさらに有利な条件を引き出すことに成功した。
それによれば、イーロン・マスク氏率いるロケット・衛星通信・人工知能(AI)事業の同社は、引受会社が追加で15%の株式を販売できる権利の行使に同意した場合、いかなる手数料も支払わない。
ウォール街で「グリーンシュー(greenshoe)」と呼ばれるこのオプションに関する異例の取り決めは、ゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレーなどの引受銀行団には、この案件で15%の追加販売に伴う7500万ドル(約120億円)の手数料の支払いがないことを意味する。
今回のスペースXの案件では、グリーンシュー・オプションによって引受会社はさらに112億5000万ドル相当の株式を販売できる。この金額だけでも大半のIPOによる資金調達額を上回る。
引受会社にはグリーンシュー・オプションを行使するための30日間の猶予がある。モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスの広報担当者はいずれもコメントを控えた。
スペースXは今回のIPOに関し、引受会社に総額5億ドルの手数料を支払うことで合意している。これは750億ドルの調達額に対して約0.67%に相当する。この低率にもかかわらず、ウォール街の歴史上でも最大級の手数料収入を生む案件の一つとなっている。
主幹事を務めたゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、それぞれ約1億ドルずつを受け取り、手数料収入の最大部分を確保した。
一方、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループ、JPモルガン・チェースはより限定的な役割を担い、それぞれ7500万ドルを受け取った。
投資銀行は通常、IPOで調達額の4-7%を手数料として受け取る。大型案件では、銀行が一度に数十億ドルの資金を払い込んでもらうよう投資家を呼び集めるため、この手数料率は大幅に低下する。しかし、そのような場合でも通常は1%を上回る。
マスク氏はさらに、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの担当者に対し、この機会を記念してスペースX株の取引初日の12日に、オプションの名前と同じ緑色の靴(green shoes)を履くよう求めた。
世界初の「トリリオネア(資産1兆ドル以上の大富豪)」となったマスク氏はその後、モルガン・スタンレーのテッド・ピック最高経営責任者(CEO)や、マスク氏のアドバーザーとして知られるマイケル・グライムズ氏ら同社幹部が、鮮やかな緑色のスニーカーを披露している写真を投稿した。
原題:SpaceX Strikes Rare Deal to Pay $0 to Bankers for IPO Greenshoe(抜粋)
--取材協力:Hannah Levitt、Katherine Doherty.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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