マネーストック:投資信託と国債で二桁の伸びが継続

4月13日に発表された3月のマネーストック統計によると、金融部門から市中に供給された通貨量の代表的指標であるM2(現金、国内銀行などの預金)平均残高の伸び率は前年比2.03%(前月は1.72%)、M3(M2にゆうちょ銀など全預金取扱金融機関の預貯金を含む)の伸び率は同1.41%(前月は1.16%)と、ともに2カ月連続で伸び率が上昇した。

M2の伸びが2%を超えたのは2024年4月以来となる。銀行貸出の加速が通貨量の増勢拡大に寄与しているとみられる。

M3の内訳では、最大の項目である預金通貨(普通預金など・前月▲0.4%→当月▲0.3%)のマイナス幅が若干縮小したほか、主に定期預金を意味する準通貨の伸びが前年比5.2%(前月は同4.5%)と大きく上昇し、全体の伸び率上昇に繋がった。

一方、CD(譲渡性預金・前月6.8%→当月6.2%)と現金通貨(前月▲1.0%→当月▲1.1%)の伸びはやや低下した。

広義流動性(M3に投信や外債といったリスク性資産等を加算した概念)の3月の伸び率も前年比2.79%(前月は2.62%)と、M2・M3同様、やや上昇した。

内訳では、既述の通り、M3の伸びが上昇したほか、投資信託(私募やREITなどを含み企業保有分も合わせた元本ベース、前月11.5%→当月11.7%)の伸びがやや上昇したことが寄与した。

一方、規模の大きい金銭の信託(前月4.0%→当月4.0%)は横ばいに留まり、国債(前月21.2%→当月20.7%)、外債(前月8.3%→当月6.2%)の伸びはやや低下した。伸び率の水準では、投資信託と国債において二桁の伸びが続いており、順調な資金流入が継続している。

なお、昨年末の日銀の利上げや財政拡張観測・インフレ懸念に伴う長期金利の上昇などを受けて、3月にかけて定期預金を中心に預金金利の上昇が顕著になっている。同じく、個人向け国債の募集利回りも上昇していることから、今後、預金通貨からのシフトが加速するかどうかが注目される。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主席エコノミスト 上野 剛志)

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