マーケットコメント

13日の米国市場は、イランが和平協議で合意することを望んでいるという見方をトランプ米大統領が示したことで、楽観論が広がった。もっとも、米国とイランの駆け引きが続いており、楽観的な動きも悲観的な動きも市場にとっては想定内のものとなっている。再び交渉が難航する可能性もあることから、市場は様子見の展開が続くだろう。

重要なのは、日替わりで色々なヘッドラインが出てくる中で、相場のトレンドがどのように変化しているか、である。例えば、S&P500指数はイラン情勢が大きく悪化する前の2月末から一時約▲7.4%(3月27日)となった。しかし、その後は株価が上昇トレンドとなり、4月13日時点では2月末対比約+0.1%と、小幅ながらもイラン情勢悪化前の水準を上回った。

地政学的にはイラン情勢の混乱が続いているという評価になりそうだが、S&P500指数は問題が解決したような動きと言える。むろん、株式市場のけん引役になっているのはハイテク関連であり、ナスダック指数は4月13日時点で2月末対比約+2.3%となっている。一方、ダウ平均は4月13日時点で2月末対比約▲1.6%となっている。

景気下振れのリスクが高い際、景気変動に対して業績が安定しているとみられるハイテク関連が選好されるという動きは、ここ数年のパターンである。引き続き、ハイテク関連株は「少しディフェンシブ」というアセットとして注目されているのだろう(リセッションになって本格的にディフェンシブ銘柄が選好される際は、ハイテク関連株にもリスクがある)。

今後を展望すると、①家計や企業が株高を好感して成長軌道が維持されるという見方が広がっていくパターンになるか、②やや遅れて米経済にネガティブな要因が意識されて上値が重くなっていくパターンになるか、見極めが必要である。25年のトランプ関税の際もそうだったが、トランプ大統領が市場にストレスを与えた後、徐々に軟着陸を目指すことで(いわゆるTACO)、株価は回復し、気が付けば高値を更新しているというマッチポンプ相場となる可能性もある(①のパターン)。

しかし、現状ではまだ下方リスク(②のパターン)に備えるべきだと、筆者はみている。イラン情勢が悪化する前から米国の個人消費にはやや弱さがみられていたことから、イラン情勢悪化の影響も相まって今後はやや弱めの経済指標が続く可能性がある。

アトランタ地区連銀が推計するGDPNowによると、1-3月期の実質GDP成長率の見通しは+1.3%とプラス成長となっているが、このところ下方修正が続いている。米経済のモメンタムはあまり強くなさそうである。また、今回の大幅な原油高のように予想外に相場が大きく動いた後には、思わぬところで損失を被ってしまった投資主体がいる可能性もある。

むろん、米経済の下方リスクが意識されればFRBが利下げを実施する可能性が高まるため、過度な悲観論は不要だとみられるが、もう少し状況を見極めることが肝要だろう。

債券市場は金利が低下した。長期金利は前日差▲2.4bp、2年金利は同▲2.3bpだった。この日はFF金利先物市場が織り込む年内の利下げ回数の予想が約0.36回となり、前日の約0.26回から小幅に増加したが、全体的に大きな変化はなかった。