(ブルームバーグ):日本銀行の氷見野良三副総裁は10日、景気減速と物価上昇が併存する下での政策対応には一種のジレンマがあるとし、毎回の金融政策決定会合で適切に政策を判断するとの見解を示した。衆院財務金融委員会で答弁した。
氷見野氏は、中東情勢の緊迫化が長期化した場合、景気の減速と物価上昇が併存する状況になる可能性があるとし、その場合の金融政策対応には「一種のジレンマがあり、難しい問題だ」と説明。金融政策は、ショックの持続性や経済環境などを踏まえ、2%の物価安定目標の実現の観点から「最も適切な対応を選択する」と語った。
その上で、中東情勢の影響を含めてその時点で利用可能な各種のデータや情報から、経済物価の見通しやリスクの見通しが実現する確度をアップデートし、「毎回の決定会合において適切に政策を判断していきたい」と述べた。
日銀は27、28日に開く金融政策決定会合で、中東情勢の緊迫化の影響を織り込んだ最新の経済・物価見通しを議論し、追加利上げの是非を判断する方針だ。原油高を受けた景気の下振れと物価の上振れという双方向のリスクが存在する中、氷見野副総裁は政策判断の難しさをにじませた。
現状を景気停滞とインフレが同時に進行するスタグフレーションかどうかを問われた氷見野副総裁は、「明確な定義があるわけではない」と説明。消費者物価は物価安定目標に沿った2%に近い水準にあり、国内総生産(GDP)成長率も潜在成長率を上回っており、「足元がスタグフレーションとは思っていない」と語った。
(氷見野副総裁の発言の詳細を追加して更新しました)
--取材協力:氏兼敬子.
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