(ブルームバーグ):セブン&アイ・ホールディングスは9日、米国のコンビニエンスストア子会社の上場時期を最短で2027年度に後ろ倒しすると発表した。上場で得た資金を使うとしていた株主還元の方針は変わらないとした。
米国事業のセブン-イレブン・インク(SEI)について、従来26年度の下半期に新規株式公開(IPO)する予定だったが、不透明な市場環境を受けて延期する。セブン&アイが9日に発表した2026年2月期(前期)の米国事業は、販管費の圧縮で営業利益ベースで増益を確保したが、減収となった。
企業価値向上策の一環で打ち出されたIPOが予定通りに進まないことで、セブン&アイへの投資家の目は今後厳しくなる可能性がある。同社は中長期での成長に向けて、コンビニ事業に集中する方針にかじを切った。足元では主力の米国事業の立て直しを図ってきた。
IPOについてスティーブン・デイカス社長は、インフレで消費が鈍っている米国での業績回復を前提とする考えを示してきた。月次営業情報によれば、米国既存店商品売り上げは昨年12月から前年同月比を上回っているが、岩井コスモ証券の菅原拓アナリストはIPOに向けて順調と考えるには今少し物足りないとしていた。
IPOの延期は日経新聞が発表前に報じた。報道を受けて、セブン&アイ株は午後の取引で下げ幅を拡大し、一時前日比6.1%安の2063.5円と25年7月以来の日中下落率となった。
IPOで調達した資金は、30年度までに実施する総額2兆円規模の自社株買いの原資などに充てられる予定となっていた。すでに6000億円分を取得している。自己株取得や累進配当などの方針は維持するとした。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、レア・エルハージ氏は3月のレポートで、IPOが遅れた場合は「自社株買いのペースを維持するために追加的な負債が必要となり、M&A(合併・買収)や成長投資に充てる余力を制約する可能性がある」と指摘していた。
(情報を追加します)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.