米国とイランの停戦合意が発表される前、予測市場プラットフォームのポリマーケットに停戦を予想する大量の賭け金が流入していた。流入額は1億7000万ドル(約270億円)に上り、地政学関連の賭けとしては予測市場で過去最大規模に上った。

そこで再び、ここ数カ月にわたり予測市場につきまとっている同じ疑問が浮上する。内部情報を基に賭けている参加者がいるのではないか、プラットフォーム側が仲介した賭けを公正に判定できるのか、という疑問だ。

ポリマーケットに新規で開設された複数の匿名のアカウントは、イラン関連のタイミングの良い賭けで次々と勝利し、利益はいまや数十万ドルに膨らんだ。だが、これはインサイダー取引の典型的な兆候だとして専門家が調査を開始し、問題となった中東関連の賭けによる一部の支払いは凍結されている。停戦の定義を巡る議論もユーザーの間で続く。

これらは全て、その野心に見合うインフラがまだ完成していない業界の問題を浮き彫りにする。

このところ提起されたインサイダー取引疑惑はほぼ全て状況証拠に基づいており、特定の内部関係者が関与した決定的な証拠はない。とは言え、最近開設された3つのアカウントが7日までの停戦を予想し、合計48万ドル以上の利益を上げていると、ブロックチェーン分析企業のルックオンチェーンが8日指摘した。

停戦を巡る賭けの最終結果はまだ係争中で、この手続きにより大半の参加者は払戻金の受け取りまで2日以上待たされることになる。この賭けの総取引額は6000万ドルを超え、最終結果が出るまでの間に新たな賭けを行うことも可能となっている。

今回の件は、予測市場に別の根深い問題があることも示す。現実世界の出来事は、白か黒かで判断できるような明確な形で決着するとは必ずしも限らない。ウォール街が予測市場の合法化に動き、ユーザー数が日々増えているだけに、不審な行為の増加は予測市場がもたらす新たなリスクに緊急に対処する必要性も突きつける。

予測市場はスポーツから選挙、特定の賞の受賞などさまざま事象について「はい」か「いいえ」に賭ける形を取る。ポリマーケットはまた、米国内では厳しく規制されている軍事関連の賭けについても、同国外の拠点を活用して提供している。このため、米議会では予測市場の規制を厳格化する気運が盛り上がりつつある。

ポリマーケットとその最大のライバルであるカルシは、プラットフォームの人気が高まる中でインサイダー取引の取り締まりを強化しようと、第三者企業と契約して監視支援を仰いでいる。内部情報に基づく取引だと判断される時期を一段と明確に定義するための社内規則も厳格化した。

ポリマーケットはコメントの要請に対し、直ちには回答しなかった。

原題:Polymarket’s Iran Bets Draw Fresh Disputes and Insider Scrutiny(抜粋)

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