(ブルームバーグ):株高や人工知能(AI)需要の高まりを背景に、日本企業の間で資本市場を活用して資金を確保する動きが広がりを見せている。
プリント基板(PCB)向けドリルを手掛けるユニオンツールは6日、工場建設費用や機械装置などの増設に充てるため、公募による自己株式の処分などで約270億円を調達すると発表した。生成AIチップやデータセンター向けプリント配線板の需要が急増し、主力製品であるハイエンドPCBドリルの需要が供給を上回る状況だという。
7日のユニオンツール株は前日比5.6%安で取引を終えた。ブルームバーグの試算では、自己株処分に伴う1株当たり利益の希薄化率は約9.1%となる見込み。処分価格は14-17日に決まる予定だ。
AI需要の高まりを受けた資金需要への対応では、半導体検査装置を扱うアドバンテストが1日、1000億円の転換社債型新株予約権付き社債(CB)を発行すると発表した。資金使途として半導体テスターの生産能力増強などを挙げている。
こうした流れもあり、日本の株式資本市場では年初来で約1兆9000億円が調達された。ブルームバーグのデータによると、同じ期間として2010年以来の高水準だ。この金額には公募増資や株式の売り出し、新規株式公開(IPO)、CBなどが含まれる。
株価の高さも株式を活用した資金調達の追い風となっている。アドバンテストとユニオンツールはいずれも予想株価収益率(PER)などのバリュエーション(株価評価尺度)が同業他社を上回っている。
エキタス・リサーチのアナリストであるホン・ジエ・ソウ氏はスマートカルマのリポートで、ユニオンツールの予想PERは29.2倍と、同業他社の22.2倍より高いと指摘。好調な業績やAI・データセンター需要による追い風を踏まえ、価格決定日までに株価が3-5%調整すれば、案件に参加する余地があるとの見方を示した。
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