(ブルームバーグ):ハンガリーのオルバン首相は昨年10月にロシアのプーチン大統領と電話会談した際、ブダペストで首脳会談を開催してウクライナでの戦争の解決を支援することなど、プーチン氏を助けるためにあらゆる手段を講じる用意があると伝えていた。
ブルームバーグが確認したハンガリー政府の通話記録によると、オルバン首相は「昨日、われわれの友情は極めて高いレベルに達した。自分はあらゆる方法で支援できる」と述べ、「自分が役に立てることなら、いつでもお力になります」と続けた。
この点を強調しようと、オルバン氏はハンガリーで人気があるという童話も引き合いに出して見せた。ライオンに命を助けられたネズミが、後日わなにかかっていたライオンを救って恩返しをしたというイソップ物語の一節で、この話はプーチン氏の笑いを誘ったという。
オルバン氏とプーチン氏の報道官は、コメントを求める電子メールにすぐには応答しなかった。
ハンガリーで今週末に行われる総選挙では、16年にわたり政権を担ったオルバン氏が敗北する可能性が世論調査で示唆されている。一方、欧州連合(EU)内で最も親露的なハンガリーとロシアの関係は、ますます厳しい視線にさらされている。ハンガリーはEUのウクライナ支援に反対し、オルバン氏は選挙戦でウクライナのゼレンスキー大統領をハンガリーの敵として描く。
オルバン氏とプーチン氏の電話首脳会談は昨年10月17日正午頃に行われ、内容が報じられるのは今回が初めて。この内容は、ハンガリーのロシア支援が政府最高指導部の政策であるという証拠をいっそう強める。
両者は会談の大半を互いへの称賛や、トランプ米大統領の賛辞に費やした。両者ともその前日に、ブダペストで首脳会談を行う可能性についてトランプ氏と会話していた。だが、ブダペストでの首脳会談は結局、実現しなかった。
トランプ氏はオルバン氏を支持し、ハンガリーの選挙戦が最終盤に入る中でバンス副大統領が7日にブダペストを訪問する。
電話会談でオルバン氏は、プーチン氏との友情は2009年にサンクトペテルブルクで始まり、それ以来強固になったと述懐。
ハンガリー政府の通話記録によると、「友人を増やせば増やすほど、敵対勢力に抵抗しなければならなくなる可能性も増える」とオルバン氏は述べた上で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前のように、プーチン氏と定期的に直接会えなくなったことを嘆いた。
この発言は、事情に詳しい関係者も認めた。関係者は非公表の会談内容だとして匿名を要請した。
プーチン氏は、ロシアのウクライナに対する戦争でハンガリーが「柔軟かつ独立した」姿勢を維持しているとして熱烈に褒めたたえ、「これほどバランスの取れた中立的な立場が反論しか生み出さないというのは、われわれには理解できない」と語った。

ザ・インサイダーやVスクエアなど調査報道のメディア連合は先週、ハンガリーのシーヤールトー外相とロシアのラブロフ外相の電話会談記録を暴露。この中で、ロシア富豪の姉妹をEUの制裁対象から除外することなどが話し合われていた。
これを受け、欧州の一部の首脳はハンガリーを非難。シーヤールトー氏は報道されたのは自身の電話を盗聴した外国情報機関の仕業だと非難しつつ、自分がEUの政策方針に反対しているのは秘密ではないと主張した。
さらにこれに先駆け、米紙ワシントン・ポスト(WP)は欧州の安全保障当局者の話として、シーヤールトー氏はブリュッセルで行われたEU外相会談の非公表の協議内容を、ラブロフ氏に定期的に報告していたと報じた。
ハンガリー野党指導者で元与党党員だったペーテル・マジャル氏は、12日の選挙で勝利すればハンガリーをロシアから遠ざけ、欧州の主流へと回帰させると公約。一方、オルバン氏は、反ウクライナ的なメッセージを選挙戦の中心に据えている。

原題:Orban Offered to Be ‘Mouse’ Helping Russian ‘Lion’ in Putin Call(抜粋)
(第5段落以降を加えます)
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