〈「給付付き税額控除」の前倒し論浮上で、注目される「消費減税」の行方〉
この日、超党派の「社会保障国民会議」の実務者会議が国会で開かれた。
各種報道によると、与野党の参加者が、給付付き税額控除の制度設計について、具体的な制度設計に入るよう有識者に要請したという。
また、その際に参加者から「まずは簡素な制度から始めるべきだ」(共同)という声があったという。
給付付き税額控除の制度設計において、労働所得以外の所得(金融所得など)の把握が困難であり、実施までにかなりの時間を要するという評価がもっぱらである。
しかし、労働所得だけで給付額や減税額を決めるという簡素な制度設計であれば、制度設計はそれほど難しくないとみられる。
国民会議では、簡素な制度で早期に始める方向で議論が進んでいるようである。
この議論で重要なのは、給付付き税額控除が前倒しで設計される場合、「給付付き税額控除までのつなぎ」として実施が検討されている食料品の消費税減税(2年間限定)の必要性が低下することである。
高市首相は消費減税は「つなぎ」であると積極的に発信してきたが、このような展開(給付付き税額控除の前倒し)によって消費減税が実施されないという展開を想定していたからだろう。
結果的に、消費減税は実施されない可能性が高いと、筆者は引き続き予想している。
(※情報提供、記事執筆:大和証券 チーフエコノミスト 末廣徹)