ヘッジファンドによる大規模な空売りや、システマティック投資家による売却が進んだことで、イラン戦争が緩和に向かう場合は株式相場が急反発する可能性が高まっていると、ゴールドマン・サックス・グループのトレーダーは指摘した。

ゴールドマンのプライム取引部門によれば、ヘッジファンドは空売り主導で世界株の保有を6週連続で削減した。最新の売りは広範に及び、主要地域すべてで売り越しとなった。欧州では、広範な経済テーマで取引されるマクロ関連商品のショートエクスポージャーが11%と、10年ぶりの高水準に達した。ヴィンセント・リン氏率いるチームが3月26日までの市場データをまとめた週次リポートで明らかにした。

先週初め時点では、株式相場の下げは中東紛争への反応としては比較的浅いものにとどまっていたが、その後はテクニカル的に売られ過ぎの水準に近づいた。ナスダック100指数はピークから10%超下落し調整局面入りしたほか、S&P500種株価指数もそれに近づいている。ストックス欧州600指数は3月に約9%下げており、月間で6年ぶりの大幅安となる見通しだ。

ヘッジファンドの米国エクスポージャーに関する別のリポートで、ゴールドマンの同チームは「投げ売りの兆しが出始めている」とし、市場に対するファンドの悲観姿勢がピークに近づいている可能性を示唆した。

過去6週間の累計では、米国株の売り越しは過去10年で3番目の大きさとなった。売却規模は新型コロナウイルス禍時の水準に迫ったものの、トランプ米大統領が「解放の日」と呼んで包括的な関税措置を発表した2025年4月の局面には及ばなかったと、ゴールドマンの同チームは分析した。

一方、トレンド追随型の商品投資顧問(CTA)は、過去1カ月で約1900億ドル(約30兆円)を売却し、現在は世界の株式全体で約500億ドルのネットショートとなっている。ゴールドマンのカレン・モーガン氏は「システマティック勢は勢いを失いつつある」と指摘。「今後1カ月は上昇余地の方が大きい。CTAはあらゆるシナリオで買い手に回ると当社ではみている」と続けた。

さらにゴールドマンでは、年金基金が月末および四半期末のリバランスに伴い株式を買い入れると試算している。同時に、オプションディーラーが抱える約70億ドルのネガティブガンマも月末に解消され、相場のもう一つの下押し圧力が取り除かれる見込みだ。

「状況は始まりよりも終盤に近づいているように感じられるが、従来の意味での『イニング』がないゲームをしているようでもある」と同行のブライアン・ギャレット氏は顧客向けリポートで指摘。戦争の明確なタイムラインを示せる市場参加者はおらず、情勢緩和には多くの当事者の合意が必要だが、現時点でその兆候は見られないとした。

「『相場の底を言い当てた』と主張できるバイサイドのアナリストになるのは魅力的だが、知的誠実さに照らせば、現時点で底打ちとはまだ言えない」と続けた。

原題:Goldman Traders See Signs Hedge Funds Are Capitulating on Stocks(抜粋)

(第3段落に追記し、更新します)

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