日本銀行は30日、政策判断で重視する基調的な物価上昇率は2%に向けて緩やかに上昇しているとし、物価安定目標の持続的・安定的な実現の観点から、2%程度の水準で定着するかを確認する必要があるとの分析結果を示した。

企画局が公表したリポートによると、当面の消費者物価は、基調的な物価上昇率が2%に近づく中、政府の物価高対策や、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格上昇などの影響で、短期的に振れやすくなることが想定されると説明した。

近年の食料品価格の上昇に加え、最近の原油価格の上昇や円安が、中長期的な予想物価上昇率の変化を通じて基調的な物価上昇率に影響する可能性に言及した。原油価格の上昇が、基調的物価に対して上下双方向に作用し得るとも指摘した。

基調物価は一時的な要因を除いた消費者物価のトレンドを示すもので、予想物価上昇率や需給ギャップ、賃金の動向などを反映する。単一の指標は存在せず、市場では分かりづらいとの指摘も少なくない。日銀は26日、基調を補足する観点から政府の物価高対策など特殊要因の影響を除いた新たな物価指標の公表を開始した。

植田和男総裁は19日の会見で基調物価について、目標の2%程度に近づいているものの、まだ定着したとは言えないと語った。現段階で日銀は、2026年度後半から27年度にかけて基調物価がおおむね2%程度で推移し、物価目標が実現するとの見通しを示している。

一方、中東情勢の緊迫化を受けて、基調物価の先行きにも不透明感が増している。景気下押しによって基調が下振れる可能性がある一方、原油高で中長期のインフレ期待が上昇すれば、基調が上振れるといった上下双方向のリスクがある。日銀は次回の4月金融政策決定会合に向けて入念に点検する方針だ。

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