(ブルームバーグ):30日のアジア株式相場は下落。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が中東での紛争に参戦し、数千人の米部隊が週末にかけて中東に到着したことで、戦闘が長期化するとの懸念が強まった。
韓国ではハイテク株を中心に売られ、韓国総合株価指数(KOSPI)は一時5.3%下落。日経平均株価も一時5.3%安となった。この日が3、9月期決算企業の配当権利落ち日であることも影響した。アジア株の指標であるMSCIアジア太平洋指数は1.9%下げ、今年の最安値を付けた。原油高が経済成長の重しとなるとの懸念が高まっている。
米国と欧州の株価指数先物も下げ、売り圧力の広がりを示唆している。北海ブレント原油は一時3.7%上昇し1バレル=116.75ドルを付けた。ロンドン金属取引所(LME)のアルミ価格は一時約6%急伸した。中東最大のアルミ生産会社が28日にイランのミサイルと無人機による攻撃を受けた。
トランプ米政権が中東地域に数千人規模の部隊を派遣したことで、米国が地上部隊投入に踏み切るのではないかとの懸念が強まっている。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、トランプ政権がイランからウランを運び出すための軍事作戦を検討していると、複数の米当局者を引用して報じた。
バンテージ・グローバル・プライムのシニア市場アナリスト、ヘベ・チェン氏は「市場ではこの1カ月間、紛争が拡大せず短期間で終わるといった前提で価格形成が行われてきた。その希望的な楽観論は、週末のフーシ派の参戦によって打ち砕かれた。戦争長期化のリスクがますます現実味を帯びてきたことで、今週からシナリオが書き換えられようとしている」と述べた。
S&P500種株価指数の先物は一時0.8%下落したが、その後は下げ幅を縮小。日本時間午後0時53分現在ではほぼ変わらず。ユーロ・ストックス50先物は0.7%安。
米国債相場は上昇。米10年債利回りは4ベーシスポイント低下し4.39%。ウォール街の大手債券ファンド運用者の一部は、イランでの戦争が既に失速気味の米景気の急激な減速を招くリスクについて、金融市場が過小評価していると指摘している。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、サリ・ユルマズ氏は「イエメンのフーシ派が中東の戦争に参戦したことで、石油市場のリスクはホルムズ海峡を超えてバブルマンデブ海峡にまで拡大し、紅海沿岸のヤンブー港からのサウジアラビアによる日量700万バレルの輸出を脅かす可能性がある」と指摘。原油価格がさらに15~20ドル値上がりする要因になる可能性があると付け加えた。
イランでの戦争は5週目に入り、市場の主な関心事は依然としてエネルギーコストの上昇と、それが経済成長を抑制し中央銀行による利上げを招くリスクに集まっている。投資家が人工知能(AI)ブームへの潜在的な悪影響を注視する中、ハイテク株比率の高いナスダック100指数は27日に調整局面入りした。
原題:Stocks Drop, Oil Rises on Iran War Widening Fears: Markets Wrap、Stock Futures Drop as Houthi Strikes Escalate Middle East War(抜粋)
(MSCIアジア太平洋指数やアルミ価格などを追加して更新します)
--取材協力:Abhishek Vishnoi、Matthew Burgess、横山桃花、Elena Popina、堤健太郎.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.