(ブルームバーグ):中東での紛争が激化すれば、投資家は円に対してドルをショートすべきだ。英資産運用会社ユリゾンSLJキャピタルのスティーブン・ジェン最高経営責任者(CEO)がこう指摘した。
世界的な資産売りが進む中で、円には安全資産としての資金流入が見込まれ、国内投資家によるレパトリエーション(自国への資金回帰)が促される可能性がある。イラン戦争で原油価格が高騰し、日本がエネルギー純輸入国であることを背景に円安が進んできた流れが反転することもあり得る。
ジェン氏はインタビューで、「ドル・円のショートが有望な取引だと考えている。天井は近いと思う」と述べた。
イラン戦争が2月28日に始まった後、ドルに対して2.6%下落した円は1ドル=160円の節目を突破。2024年にはこの水準近辺で当局が為替介入を行い、円を下支えした経緯があり、トレーダーらは160円に注目していた。

ブルームバーグのドル指数は戦争開始以降、2%超上昇。投資家はリスク回避姿勢を強めている。
ジェン氏は、戦闘が激化すればドルは多くの通貨に対して上昇するものの、日本では状況が異なる可能性があると分析。日本の投資家による対外資産保有は国内総生産(GDP)の約90%に達しており、戦争に伴う世界的な資産売りが進めば、国内投資への回帰が促されて円高要因になると語った。
同氏は米経済が好調でも、深刻な不況でもドルが上昇するとの見方を示す「ドル・スマイル」理論で知られる。
オプション市場では、ドル・円はもみ合いとなるとの見方が出ており、リスクリバーサルは今後1カ月にかけてドル安・円高方向への小幅な動きを示唆している。
原題:Stephen Jen Says Short Dollar Versus Yen If Iran War Intensifies(抜粋)
--取材協力:George Lei.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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