原油相場は上昇。中東各地で戦闘が続き、ホルムズ海峡の通航も依然として大きく制限されているなか、投資家はイラン戦争の長期化に身構えている。

北海ブレント原油は1バレル=111ドル台に上昇。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油は99ドルに接近した。

足元の原油市場では、相次ぐニュースに振り回されたトレーダーが様子見姿勢を強めており、流動性は低下し、価格変動が増幅している。

バノックバーン・キャピタル・マーケッツのコモディティー部門マネジングディレクター、ダレル・フレッチャー氏は「市場参加者は日々のニュースを消化するのに疲弊している」と指摘。そのうえで、仮に戦争が早期に終結しても、広範な物理的・地政学的影響を元に戻すのは容易ではないとの見方を示した。

トランプ米大統領がイランのエネルギー施設攻撃に関する期限を10日間延長したことで、戦争の先行き不透明感は4月まで持ち越されることになった。

今回の延長により、交渉の時間が確保される一方、中東地域への米軍増派の余地も広がる。事情に詳しい関係者によると、米国防総省はここ数日に海兵遠征部隊の中東への派遣を命じたほか、トランプ氏は陸軍第82空挺(くうてい)師団から兵士1000人超を中東に派遣するよう命じた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、国防総省が最大1万人の地上部隊の追加派遣を検討していると報じた。

ブレント原油は3月として過去最大の月間上昇率となる見通しだ。イランがホルムズ海峡のほぼ全面的な封鎖を強行するなか、世界経済にとって不可欠なエネルギーの流れは大きく制限されている。

サクソ銀行のコモディティ戦略責任者、オーレ・ハンセン氏は「日量800万バレルが失われた状態が続いており、世界の供給見通しは一段と逼迫している」と指摘。「ホルムズ海峡閉鎖前に出発したタンカーはすでに目的地に到着して荷揚げを終えており、ここから需給は一段とタイト化するだろう」と述べた。

マッコーリー・グループのピーター・テイラー氏らアナリストによると、戦争が3月末までに終結する確率は約60%とされる一方、6月末まで長期化する可能性も40%ある。後者の場合、原油価格は1バレル=200ドルに達する可能性があるという。

原題:Crude Oil Drives Higher as Traders Brace for Longer Mideast War(抜粋)

--取材協力:Charles Gorrivan、Charlie Zhu、Sarah Chen、John Deane.

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