グーグルが人工知能(AI)分野で果たした技術的進展を受け、メモリー半導体株が2日連続で売りを浴び、AI関連投資の二極化が新たに浮き彫りとなった。特定のストレージ需要が抑制される可能性がある一方で、他の分野への影響は限定的とみられている。

27日のソウル株式市場では、エヌビディアのAIアクセラレーターに使用される高帯域幅メモリー(HBM)を手がけるサムスン電子とSKハイニックスは下落分のほとんどを取り戻した。米マイクロン・テクノロジーも米市場寄り付き前の時間外取引で、安定した推移となっている。一方でキオクシアホールディングスなどフラッシュメモリーのメーカーに対する売りは続いており、数カ月前に始まった堅調な動きが反転している。

アナリストによると、AIの動作効率を高めるグーグルの「TurboQuant」技術は、後者に対する脅威の方が大きくなる可能性がある。

ティファニー・イエー氏らモルガン・スタンレーのアナリストは「TurboQuantはメモリー使用量やデータ移動を削減することで、推論効率を大きく向上させる」と指摘。一方で「HBMのような中核メモリーの需要減少にはつながらない」と分析した。

これまではAIの普及に伴い需要が急増するとの見方から、投資家はフラッシュやストレージ関連企業に資金を投じてきた。サンディスクの株価は8月末から1000%超上昇し、キオクシアも600%を超える上昇を記録していた。これらは旧来型メモリー大手であるサムスン電子やSKハイニックス、マイクロンを上回るパフォーマンスとなっていた。

しかし今週、グーグルの技術進展が意識される中で始まった売りは、フラッシュメモリー企業の方に強く波及している。その結果、DRAMメーカーが改めて注目株として浮上した。こうした企業が手がけるHBMは、ChatGPTのような大規模言語モデルの学習需要を背景に投資家の関心を集めていた。

グーグルは同社のアルゴリズムにより、LLMの特定処理に必要なメモリー量を少なくとも6分の1に削減できると説明している。これによりAIの運用コストが低下する可能性があるが、メタ・プラットフォームズのような大型データセンター事業者が使用するメモリーの需要減少につながるとの懸念も出ている。結果として、スマートフォンや家電にも使われる部品価格の下押し圧力となる可能性がある。

ブルームバーグ・インテリジェンスのジェイク・シルバーマン氏は「モデルのウエートをGPU(画像処理半導体)メモリーに保存する必要があるため、HBM需要やマイクロンが生産するDRAMへの影響は限定的とみられる」と分析。一方で「NAND需要はより長期的な影響を受ける可能性がある」とした。

もっとも、AIブームで大きく上昇したテクノロジー株は、ここのところボラティリティー(変動性)が高まっている。イラン戦争に伴うインフレ懸念もあり、大型株への警戒感が深まる中、投資家は利益確定と押し目買いを繰り返している。

SGMCキャピタルのエド・ゴメス最高経営責任者(CEO)は「AIの実装や使用を支えるハードウエアの進化は、数年、数十年という長期的なテーマであり、数日や数週間で判断するものではない」と話す。TurboQuantを理由にした売り浴びせは「短期的なノイズであり、良好な買い場につながる可能性がある」と述べた。

原題:AI Breakthrough From Google Exposes Divide in Memory Chip Stocks(抜粋)

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