大手生命保険会社が保険の契約者に対する配当を増やしている。株式市場の好調や金利上昇で運用収益の改善が続く中、契約者への利益還元を進めて顧客のつなぎ止めを図る。

住友生命保険は25日、長期の契約者向けの新たな配当制度を創設すると発表した。広報担当者によると、新たな配当制度をつくるのは21年ぶり。

通常の配当に加えて、契約期間が一定期間経過するごとに新たな配当を支払う。例えば5年ごとに配当を支払う商品の場合、契約から10年経過以降10年ごとに通常の配当に上乗せして支払う。27年度に10、20年、30年などを迎える契約者から対象とする。リスク対応のために留保していた剰余金を原資とする。

金利ある世界の到来で生命保険各社の運用に追い風が吹く中、契約者への還元を強化し自社の競争力を向上させようとする動きが活発になってきた。各社は各年度の利益の一部を配当として契約者に還元している。日本生命保険も4月、長期契約者に還元を追加で行う制度を創設した。

住生は新たな制度の創設で年100億円超の拠出を想定し、10年で総額1000億円以上になると見込む。剰余金の一部を自己資本に積み立てることで将来のリスクに備えているが、財務面で十分な健全性を維持できる見通しとなり、配当還元の拡充を決めたという。

明治安田生命保険は25年度決算に基づき、通常配当と長期契約者対象の配当を合わせた総額を3年連続で増やす。前年度から80億円増の400億円になるという。国内株式配当の増加などによる利配収入の増加や海外保険事業の伸展で、グループベースの収益性を表す「グループ業務利益」が25年度に過去最高となる見通しだ。収益が順調に拡大していることから還元を増やす。

足元で約30年ぶりの高水準を付けた長期金利は、生保にとって運用面で追い風になる一方、契約者にとっては過去に契約した低利回りの商品の解約を促す。生命保険協会によると、25年10−12月期の解約時に契約者に支払う解約返戻金は前年同期比5割増の3兆8000億円と、データがさかのぼれる19年度以降の四半期ベースで過去最高を記録した。

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