(ブルームバーグ):若者のソーシャルメディア依存を巡る米訴訟で、カリフォルニア州ロサンゼルスにある州地裁の陪審団は25日、メタ・プラットフォームズとアルファベット傘下のグーグルに対し、損害賠償の支払い義務があるとの評決を下した。この判断は、両社が直面する同様の訴訟で多額の賠償リスクが生じる可能性を示唆している。
今回の訴訟は20歳の女性ケイリー・G・M氏が提起した。6歳でユーチューブの視聴を始め、9歳でインスタグラムを使い始めたというケイリー氏は、不安やうつ病、身体醜形(しゅうけい)障害などの原因がこれらのプラットフォームにあると訴えていた。
陪審団は、セラピー費用などケイリー氏の負担を補填(ほてん)するため、メタに少なくとも210万ドル(約3億3500万円)、グーグルに少なくとも90万ドルの損害賠償金支払いを命じた。評決後、両社に懲罰的賠償金を課すべきかどうかについて、さらに審理が行われた。
この種の訴訟で初の裁判となった今回の審理で、12人の陪審員は、プラットフォームの設計・運用でメタとグーグルに過失があったと認定。自社商品が未成年者に危険を及ぼす可能性を警告すべきだったと判断した。刑事裁判と異なり、一部の民事訴訟では全員一致の評決を必要としない。今回の評決は10対2の賛成多数で両社の責任を認めた。
メタは声明で「評決には敬意を払うが同意できない。法的選択肢を検討中だ」とコメント。グーグルの広報担当者ホセ・カスタネダ氏も「評決を不服として控訴する方針だ。今回の訴訟はユーチューブを誤解している、ユーチューブは責任を持って構築された動画配信プラットフォームであり、SNSではない」と反論した。
原告側の弁護団は声明で、この評決は「明白なメッセージ」を送るものだと指摘。「本日、陪審団は真実を見極め、子どもを依存させ害を及ぼす製品設計についてメタとグーグルに責任があると認めた」と強調した。
今回の評決は、若者の苦痛に対し、SNSがどの程度責任を負うのかを見極める難しさを示した。一方で、インスタグラムやユーチューブなどのプラットフォームが、利用者の福祉を顧みず、若者を依存させるよう意図的に設計されているとして提起された一連の訴訟により、両社が数十億ドル規模の賠償リスクにさらされていることも浮き彫りにした。
メタにとって今回の判断は今週2度目の敗訴となった。ニューメキシコ州の陪審団は24日、フェイスブックとインスタグラムが性犯罪者の温床となっていることを知りながら、同社がその安全性について州内の若者に誤解を与えたとして、総額3億7500万ドルの支払いを命じている。
年内には、カリフォルニア州裁判所で他に2件の主要訴訟の審理が予定されている。企業側の敗訴が続けば、和解交渉が加速する可能性がある。かつてたばこ業界やオピオイド業界が追い込まれた包括的合意に近い形に発展する可能性もある。
今回の裁判は、メタ、グーグル、スナップ、TikTokの4社に対し、過去3年間に相次いで提起された訴訟における新たな法的主張の重要な試金石とみられていた。原告側は、コンテンツではなく、プラットフォームの設計が若者に害を及ぼしていると主張している。TikTokとスナップは今回の審理前にケイリー氏と非公開で和解に至ったが、他の同種の訴訟では引き続き被告となっている。
原題:Meta, Google Found Liable in Social Media Addiction Case (2)(抜粋)
(訴訟の詳細や背景を追加して更新します)
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