米オルタナティブ資産運用会社KKRとフューチャー・スタンダードが共同運営するプライベートクレジットファンド、FS KKRキャピタル(FSK)は、投資適格級の格付けの一つを失った。1兆8000億ドル(約285兆円)規模の同市場では珍しいケースで、同ファンドの借り入れコスト上昇につながる可能性がある。

ムーディーズ・レーティングスは23日の発表資料で、FSKの格付けを「Ba1」に引き下げ、投機的水準(ジャンク級)とした。理由として「資産の質の継続的な悪化」を挙げ、競合に比べ収益性やポートフォリオの価値が損なわれているとした。

運用資産140億ドルのFSKでは、総投資額に占めるノンアクルーアル(金利収入の計上が見込めない不良債権)の割合が昨年末時点で5.5%に上昇し、同業の中で極めて高い水準となっている。ムーディーズはまた、ソフトウエア会社メダリアへの融資など、ノンアクルーアルには分類されていないものの大幅な評価減となった他の投資案件についても懸念を示した。

FSKの広報担当者は電子メールで送付した発表文で、「今回の決定にかかわらず、FSKの状況は依然として良好だ」とコメント。「負債構造は強固かつ分散されている」とし、「投資先企業への支援を継続し、現在の市場環境を乗り切ることが可能だ」とした。

FSKのようなビジネス開発会社(BDC)型ファンドは通常、リターンを高めるため自ら債券を発行する。ジャンク級の借り手より低いコストで資金を調達し、より幅広い投資家層にアクセスするため、投資適格級の維持を目指している。

ムーディーズはまた、FSKで「ペイメント・イン・カインド(PIK)」の割合が同業に比べ高い点を問題視した。PIKは利息の支払いが繰り延べられ元本に加算されていく仕組み。

一方、流動性については「良好な状態にある」と指摘。今年に入り10億ドルの債券を償還した後も、約25億ドルの手元資金を確保しているとした。

原題:Private Credit Fund Run by FS and KKR Cut to Junk by Moody’s(抜粋)

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