(ブルームバーグ):人工知能(AI)を搭載した牛用首輪を手がけるスタートアップのハルターは、新たな資金調達に向けた協議を進めている。企業価値は20億ドル(約3170億円)超と、従来水準から倍増する見通しだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
資金調達は、著名投資家ピーター・ティール氏のベンチャーキャピタル、ファウンダーズ・ファンドが主導するという。非公開情報であることを理由に、関係者は匿名を条件に語った。協議は現在も続いており、詳細は変更される可能性がある。
ニュージーランドを本拠とするハルターの技術は、牛の行動を制御する仮想フェンスを構築し、農家がアプリを通じて個体の位置や健康状態を監視できるよう設計されている。首輪は太陽光による発電で駆動し、スマートフォンと連携する。農家は放牧地を歩き回ることなく、遠隔で管理できる。首輪からの振動や音を使い、牛を誘導することが可能だ。
関係者の1人によれば、今回の資金調達は投資家からの関心が強く、需要が供給を大きく上回る「オーバーサブスクライブ」の状態にある。このため、最終的な調達額はまだ確定していないという。
ハルターにコメントを求めたが、返答は得られていない。ファウンダーズ・ファンドもコメントを差し控えた。
ここ数年は低迷が続く農業テック分野で、ハルターはAIを武器に異色の存在となっている。同分野では多くの企業が破綻に追い込まれ、ベンチャーキャピタルも撤退が目立つ。
同社の取り組みは、テクノロジーを活用して農地管理を効率化し、人手を減らす「精密農業」と呼ばれる流れの一環だ。市場に出回っている他社の牛用首輪の多くは、消化状態を監視し、病気などの兆候となり得る異常の検知や繁殖周期の把握に重点を置いている。
ハルターの創業者クレイグ・ピゴット氏は2024年、ブルームバーグに対して「われわれの目標は、テクノロジーを活用して放牧型農業をより持続可能で生産性の高いものにすることだ」と語っていた。
同社は米コロラド州にも拠点を設け、米国での事業拡大を優先する方針を示している。
原題:Founders Fund Backs AI Cow Collar Startup at $2 Billion Value(抜粋)
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