トランプ米大統領が23日、イランの発電所やエネルギーインフラに対する軍事攻撃を5日間延期すると発言したことを受け、金は下落幅を縮小した。銀も反発し、10%超の下落分を戻した。

トランプ氏は自身のソーシャルメディアに、中東での敵対行為の全面的な解決に向け、イランと「生産的な」協議をし、攻撃の延期を命じたと投稿した。ロンドン市場の午前中早く、一時8.8%安まで下落していた金現物は、一時2%安まで戻した。

トランプ氏は21日夜、イランに対し、48時間以内にホルムズ海峡の解放に応じなければ、イランの発電施設を空爆すると通告した。イランは攻撃を受けた場合、ホルムズ海峡を「完全に」封鎖し、エネルギー、情報技術、海水淡水化インフラを標的にするとしていた。

イラン戦争期間中の金価格の低迷の一因は、投資家が比較的流動性の高い資産を手放す現金への逃避にある。金利上昇やドル高への期待も、押し下げ要因となっている。

戦争開始以来、エネルギー価格の高騰により、米連邦準備制度理事会(FRB)や他の中央銀行による利上げの期待が高まっている。金利が高止まりしている状況では、利回りのない金地金は魅力が薄れる。2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻の際も、同様の動きが見られ、金価格は当初安全資産として急騰したものの、エネルギー価格ショックが市場に波及しインフレ圧力が強まってからは、数カ月にわたり下落が続いた。

BNPパリバのコモディティ戦略ディレクター、デビッド・ウィルソン氏は、「2008年、2020年、2022年の過去3回の経済ショックサイクルを振り返ると、ニュースの流れに反応し、投資家が米ドルを得るために資産を売却し、金価格は当初下落している」と指摘した。その後は持続的な上昇が続いたという。

ロンドン時間午後12時40分現在、金現物価格は1.8%安の1オンス=4412ドル近辺で取引されている。銀は一時0.75%高の1オンス=68.42ドルとなった。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.3%下落した。

原題:Gold and Silver Rebound as Trump Postpones Iran Energy Strikes(抜粋)

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