23日の日本市場は株式が大幅続落し、日経平均株価の下げ幅は2600円を超えた。ホルムズ海峡の開放に向けたトランプ米大統領の警告に対しイランは徹底抗戦の構えを見せており、中東情勢の緊迫で投資家のリスク回避姿勢が強まっている。債券も下落(金利は上昇)し、円は対ドルで159円台前半でもみ合い。

トランプ米大統領は米東部時間21日午後7時44分(日本時間22日午前8時44分)時点の自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、48時間以内にホルムズ海峡を開放しなければ、イランの複数の発電所を攻撃し、壊滅させると警告。イランは発電施設が攻撃を受けた場合、ホルムズ海峡を「完全に封鎖する」と威嚇した。国営テレビが22日、軍司令部の声明として報じた。

東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、イラン戦争が長引くとの見方が強まる中、足元で米原油先物は落ち着いているものの、1バレル=130ドルなどに上がると米国の利上げ確率が高まり、日本株の逆風になると警戒感を示している。

株式

株式は大幅続落。2600円以上下げた日経平均は5万1000円を割り込み、電機や自動車、機械など輸出関連株を中心に、非鉄金属や海運、鉱業、化学など33業種全てが安い。

国内新興市場への売り圧力も強まり、東証グロース市場250指数先物に午前9時30分から10分間、サーキットブレーカーが発動した。

米原油先物はアジア時間23日朝の取引で1バレル=98ドル付近で推移。一時101ドル50セントまで上げる場面があった。

東海東京インテリジェンス・ラボの平川氏は、過去の地政学リスクによる株価調整は3週間程度で終わることが多く、今週の日本株は最悪シナリオを織り込んだ後に戻りを試す可能性があるとみている。

債券

債券は下落。イラン戦争長期化への懸念から米長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、売り優勢の展開が続く。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、中東情勢の悪化が意識され、原油先高観とインフレ懸念が売り材料にされやすいと指摘。あすの40年債入札への警戒感も重しとみている。

日本銀行の植田和男総裁は19日の金融政策決定会合後の会見で、原油高で「景気が仮に下押し圧力を受けて成長率が下がっても、それが一時的で、基調的な物価の経路にさほど影響しないのであれば当然利上げは可能だ」と発言。タカ派的と受け取められたが、スワップ市場が織り込む4月利上げ確率は6割程度にとどまっている。

一方、原油価格上昇によるインフレへの警戒から、米国の年内の利下げ観測はほぼ消滅し、利上げを織り込み始めている。欧州中央銀行(ECB)は年内3回の利上げを織り込む。

為替

円相場は対ドルで159円台前半でもみ合い。イラン戦争の長期化と原油価格上昇への懸念からドル買いが出ている半面、日本の通貨当局による介入への警戒感が円を下支えしている。

SBI FXトレードの上田真理人取締役は「植田総裁の会見では、よほどのことがない限り4月に利上げする決意が出ていたが、米国も利下げしにくくなっており、金利差は縮まりにくい」と指摘。金融政策でやれることは限られ、「原油価格上昇が止まらない限り、ドル・円相場はじりじりと160円に向かう」との見方を示す。

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