イラン戦争が収束の兆しを見せないまま4週目に入り、投資家は市場のさらなる波乱に身構えている。

トランプ米大統領は21日夜、イランに対し、ホルムズ海峡を48時間以内に再び開放しなければ、発電所を攻撃するという最後通告を突きつけた。期限は米東部時間23日夜。

これにイランは反発し、攻撃が実施されれば同海峡を無期限で封鎖し、中東地域にある米国とイスラエルのエネルギーインフラを標的にすると警告。双方が軍事衝突をエスカレートさせかねない事態となっている。

米国時間22日夜には米国株先物、米国債、原油の取引が再開される。先週は株式と債券がそろって売られ、金価格が急落。北海ブレント原油終値は1バレル=112ドルを超え、約4年ぶりの高値となった。投資家がリスク資産から資金を引き揚げる中、暗号資産(仮想通貨)ビットコインも下落。22日に6万9000ドルを割り込んだ。

ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏はインタビューで、「この戦争からの撤退の判断はトランプ氏一人の意思で決まるものではない」と指摘。「不透明感は3週間にわたり高まりを見せていたが、ここにきて一気に増幅した。たとえ売りが出ないとしても買い手は不在で、買い注文がなければ需給の空白が生まれる」と述べた。

20日の米市場で売りが加速した背景には、原油高が新たなインフレショックをもたらしかねない中で、米連邦準備制度が年内に利上げに転じる可能性があるとの観測が浮上したことがある。戦争は世界経済の成長見通しにも影を落としているが、日本や欧州、英国の中央銀行も同様の動きを見せるとの警戒感が広がっている。

インフレ加速と成長鈍化という2つのリスクが意識され、20日のS&P500種株価指数は1.5%下落。週間として4週連続のマイナスとなり、ここ1年で最長の下げとなった。

投資家が金利上昇に身構え欧州債券市場で売りが先行した流れに続き、指標の10年物米国債利回りも13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.38%と、昨年7月下旬以来の高水準を付けた。原油と共に上昇してきたドルも、23日のアジア市場取引開始時点でG10通貨の多くに対して上昇を示唆している。

デービッド・クロイ氏らANZグループ・ホールディングスのストラテジストは顧客向けリポートで「レトリックの激化を受け、市場の取引開始とともにリスクオフの動きが強まる可能性が高い。世界のエネルギー供給が長期的に混乱するとの見通しを軽視できなくなっている」と分析した。

原題:Traders Brace for Turbulent Open as War Rages On: Markets Wrap(抜粋)

(チャートを追加して更新します)

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