(ブルームバーグ):モルガン・スタンレーは、連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ6月にも利下げを再開するとみている。ただし、イランとの戦争による原油価格ショックで、次の動きが遅れるリスクもあるという。
同行のエコノミストは11日のリポートで、エネルギー価格上昇がインフレ悪化を招く恐れがある中でも、FRBが今年6月と9月の2回にわたり0.25ポイントの利下げを実施するという従来の予測を維持している。だが、今年最初の利下げが9月か12月までずれ込み、さらにその次の利下げが2027年まで先送りされる可能性もあるとみている。
米国チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏らは「FRBが過去の教訓に耳を傾け、原油価格上昇による物価上昇圧力を無視して予想より早い金融緩和を実施すれば、私たちには有利になる」としている。
米国とイスラエルによるイランへの攻撃により、原油価格が急騰し、市場に衝撃を与えている。こうした状況から、FRBがいつ金融緩和を再開するかについて疑問が生じた。先物市場では、今年10月の会合で、0.25ポイントだけ利下げが行われる可能性があるとみられている。
トランプ米大統領はここ数日、イランとの戦争は「間もなく」終結すると繰り返し発言し、国際エネルギー機関(IEA)も11日に、緊急備蓄から過去最高の4億バレルの石油を放出することに合意した。それでも原油価格は高止まりしており、ブレント原油は1バレル=約90ドル前後で取引されている。
トランプ氏がイラン攻撃に踏み切る前、原油価格は1バレル=70ドル前後だった。モルガン・スタンレーのエコノミストらは、原油価格が戦争前の水準に戻らない場合、2026年には物価全体への影響が増大し、2028年末まで失業率もやや高めの水準で推移することになるとの見通しを示した。
ゲーペン氏らは、物価の安定と雇用の最大化という2つの使命の間に生じる緊張を調整するため、FRBが「従来の想定以上の金融緩和を行うだろう」とし、「従って、私たちの金融政策見通しに対する第2のリスクは、FRBが利下げ時期を遅らせる代わりに、より大幅な利下げを行う可能性だ」と述べた。
また、「現在の市場価格には、戦争の継続期間に関する不確実性の高まりと、FRBの対応方針がデータと時間の経過によってのみ明確化するとの認識が反映されている」と指摘した。
原題:Morgan Stanley Sees Risks That Oil Shock Will Delay Next Fed Cut(抜粋)
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