財務省が11日に実施した5年利付国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が3.69倍と過去12カ月平均(3.44倍)を上回り、市場で強めの結果だったとの見方が出ている。

応札倍率は前回の3.1倍からも上昇した。最低落札価格は99円84銭(市場予想99円81銭)。大きいと入札の不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は1銭(前回3銭)と、昨年1月以来の小ささとなった。

債券市場では入札結果発表後、長期国債先物3月物がプラスに転換。5年国債利回りは前日比0.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い1.62%に低下した。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「無難ないし強めの結果だった」と指摘。利回り水準がさほど低下しなかったことで一定の需要があったようだとし、「イラン戦争が早期終結しないと日本銀行が4月に利上げに踏み切るのは難しいとの見方も一部にあったのかもしれない」と言う。

スワップ市場が織り込む4月までの利上げ確率は6割程度で推移している。稲留氏は債券相場の先行きについては「インフレ懸念に加え、日銀の利上げ継続姿勢、財政拡張リスクもあって金利が大きく低下することは見込みにくい」と述べた。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長も、4月の利上げなしを予想する投資家が応札したと読む。その上で、原油価格は依然としてイラン戦争前を上回っており、為替の円安も続いているため、日銀に必要な利上げ幅はむしろ拡大している可能性があり、金利は引き続き上昇方向だと指摘した。

トランプ米大統領がイラン戦争の早期終結を示唆したことや石油備蓄放出への期待などから、一時1バレル=120ドル近くまで上昇した原油先物は足元で90ドルを割り込んでいる。ただ、米国とイスラエルによるイラン攻撃前は60ドル台だった。

(第3段落以降に債券相場の動きやコメントなどを追加しました)

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