(ブルームバーグ):世界的な独立系資源・エネルギー商社が、数十億ドル相当の新たな与信確保に動いている。イラン戦争の拡大・長期化で石油・天然ガス価格がさらに高騰し、多額のマージンコール(追加の証拠金・担保請求)の支払いが発生する事態に備える。
イラン戦争の先行きを巡る観測が交錯し、エネルギー価格が激しい変動に見舞われる状況で、ビトル・グループとトラフィグラ・グループ、ガンバー・グループは、新たな与信枠設定を金融機関と協議している。
資源商社は石油やガスを買い付け、世界各地に輸送するために多額の現金を必要とし、それを銀行からの与信で賄う。原油・ガス価格が高騰すれば、貨物価値も上昇し、資金調達ニーズが増える。
原油・ガスの現物を保有する商社は、先物市場でショート(売り建て)ポジションを設定し、リスクヘッジを行う。最も差し迫った問題としては、価格急騰に伴い先物市場のポジションに多額のマージンコールが発生する恐れがある。
トラフィグラは10日、「商品価格のボラティリティーが高まる中で必要な流動性バッファー(緩衝材)」を提供する30億ドル(約4750億円)相当の信用枠を確保したと発表した。
非公開情報を理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、ビトルも約30億ドル、ガンバーは約10億ドル相当の与信確保を目指している。ビトルとガンバーの広報担当者はコメントを控えた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物はニューヨーク時間9日の取引で1バレル=119.5ドルの高値を付けた後、急反落したが、中東での衝突長期化と、さらなる価格急騰にトレーダーは備えている。
2022年のロシアのウクライナ侵攻後にエネルギー価格が急上昇した際、大手商社は追加の与信枠確保を急ぐ必要に迫られた。複数の関係者によれば、当時の経験が教訓になったようだ。
原題:Oil Traders Line Up $7 Billion in Credit to Weather War Turmoil(抜粋)
--取材協力:Mark Burton、Julian Luk、Ruth Liao.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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