(ブルームバーグ):双日傘下の日豪レアアース(JARE)がオーストラリアのライナス・レアアースと対日供給契約を更新し、2038年まで継続することで合意した。双日の株価は11日、一時前日比3.9%高の6433円を付けた。
ライナスは、世界最大級の非中国系レアアース(希土類)生産会社。電気自動車(EV)や光ファイバー、ハイテク製品の製造に不可欠な重要素材レアアースの安定調達に向け、日本側は長期の最低価格を保証する。中国からの供給逼迫(ひっぱく)の影響長期化を見越した動きと言える。
10日の発表によれば、JAREは38年までネオジム・プラセオジム(NdPr)酸化物を年間最低5000トン購入する確約を行った。ライナスは年間最大7200トンの対日供給を継続する。キロ当たり110ドル(約1万7000円)の最低価格保証に加え、同社が生産する貴重な「重レアアース」の少なくとも半分を日本が買い取る契約も含まれる。
ライナスは昨年、EVモーター用高性能磁石の耐熱性向上に用いる重レアアース、ジスプロシウムとテルビウムの生産を開始し、中国以外では数少ない供給元となった。同社が生産する重レアアースの最大75%を38年まで日本に供給する。
台湾有事に関する高市早苗首相の国会答弁に反発する中国政府は対抗措置として、三菱重工業の関連会社など日本の20社・団体に対し、軍民両用(デュアルユース)品目の輸出を禁止した。レアアースの輸出制限を意図したと受け取れる。
EVやスマートフォンのほか、ロボットや戦闘機にも使われるレアアースは、政治対立の影響を受けやすい。11日の豪州株式市場でライナスの株価は、一時15.6%急上昇した。
ジェフリーズは今回の契約更新について、ライナスがマレーシア工場で生産する重レアアースを日本が過度に入手できるようになり、他の地域の消費国が入手しづらくなると分析した。
JAREは、ライナスへの投資を通じて、レアアースを安定的に調達することを目指し、双日とエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が共同で設立した。
JOGMECの金属企画部の担当者は、最低価格保証を設定したのは、ボラティリティーの高い資源であり、ライナスが長期的に安定操業できるようにするためで、特定の国を意識した措置ではないとした。双日はコメントを控えた。
原題:Lynas Surges 15% After Revamp of Rare Earths Deal With Japan、Lynas-Japan Deal Leaves Less Rare Earths for Others: Jefferies(抜粋)
(重レアアースの供給に関する情報を追加して更新します)
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