(ブルームバーグ):米国とイスラエルがイランを爆撃したことを受け、ホルムズ海峡の通航を回避するタンカーが相次いでいる。ホルムズ海峡は、原油資源が豊富なペルシャ湾と外洋とを結ぶ重要な航路。
海峡自体は閉鎖されておらず、航行を続ける船舶もあるが、出入り口付近でタンカーが滞留している状況がブルームバーグがまとめた船舶追跡データで示されている。
ブルームバーグが確認した通達によれば、日本郵船は自社の船舶に対しホルムズ海峡を通航しないよう指示。またギリシャ政府も、同国の商船に対し通航の見直しを求めた。このほか3社が通航方針を見直しているとし、別の1社は米国による勧告を事実上の海峡封鎖と解釈したと説明。さらにもう1社は、船舶に慎重な航行を指示した。これら企業はいずれも、匿名を条件に明らかにした。
ホルムズ海峡は石油輸送の要衝で、イランとの緊張が高まる局面では大きな焦点となる。世界の海上輸送原油および液化天然ガス(LNG)の5分の1が日々この海峡を通過するためだ。海軍関係者2人は、海上輸送は完全には停止していないと述べた。トレーダーは、イランの報復攻撃や港湾への影響など、混乱が拡大する可能性にも目を光らせている。
主要な原油先物市場は土日が休場のため、攻撃後のリスクを市場がどの程度織り込んでいるかは見えにくい。ただ、IGグループが提供する個人向け取引商品では、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が一時1バレル=75.33ドルに上昇し、27日の終値比で12%高となった。
船舶追跡データによれば、カタール発着の少なくとも3隻のガスタンカーがホルムズ海峡回避のため航行を停止している。カタールは世界第2位のLNG輸出国で、昨年は供給全体の20%を占めた。同国の出荷はアジアや欧州の顧客に向かうため、ホルムズ海峡を通過する必要がある。
イラク産およびアラブ首長国連邦(UAE)産の原油200万バレルを積み、中国へ向かっていたタンカー「イーグル・ベラクルス」は、ホルムズ海峡西側の入り口で停止した。同地点では、サウジアラビア産原油を同程度積載する「フロント・ビューリー」も停止している。
原題:Oil Tankers Avoiding Vital Hormuz Strait After US Bombs Iran (1)(抜粋)
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