米国とイスラエルが28日、イランを攻撃し、イラン政府はこれを国家の存続の危機と捉えている。衝突はすでに、従来の攻撃と報復のサイクルを超えるものとなっている。

米国とイスラエルの作戦開始からわずか数時間後、イランはイスラエル、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンなど複数の場所にミサイルを発射した。米国関連の施設を標的にする一環として、在イラク基地へのさらなる攻撃もほのめかした。

トランプ米大統領はイランの脅威を排除し、イラン国民に政府打倒を促している。これに対し、イランの指導層が自制する動機はほぼない。この件に詳しい人物によると、米国とイスラエルの攻撃は、ペルシャ湾の攻撃が可能なミサイル基地だけでなく、イラン高官や防空施設も標的にしている。

外交政策研究機関「パシフィック・フォーラム」のウィリアム・アルベーク上級研究員は、予想されるイランの報復について「イランはあらゆる標的に、手持ちの武器をすべて投入するだろう」と述べた。

空軍力のみで政府を打倒した前例はなく、空爆作戦だけでは政権交代につながりにくい。ただ、米国とイスラエル攻撃と並行し、イラン国内の重要指揮官を標的とした諜報活動を行った可能性がある。狙いは、戦闘が無駄だと説得するだけでなく、権力の空白を埋められるかもしれないと彼らに思わせることだ。

アルベーク氏は、米国とイスラエルが国防省、イスラム革命防衛隊、その他の機関の幹部と連絡を取り、「彼らに離反させ、自宅待機させるよう働きかけている」可能性が高いと述べた。

イランは、湾岸地域の民間・軍用船舶を攻撃するために対艦兵器を使用できるが、これまでのところ、そのような活動は報告されていない。イランは数百発の巡航ミサイル、小型ミサイル艇、潜水艦を保有している。

ただし、米海軍は火力で大きな優位性を持っている。何十年も艦隊に対する組織的な攻撃に直面したことはないが、海上での直接的な脅威への対応に、大きく苦労することはなさそうだ。

オーストラリアのグリフィス・アジア研究所のピーター・レイトン氏は、イランの軍部・文民指導者が引き続き圧力に直面する中、戦争の規模が拡大し続ける可能性があるとの見方を示した。

レイトン氏は「イランはまもなくミサイルとミサイル発射装置を使い果たすだろう」としたうえで、「イスラエルと米国は、政権が崩壊するまで爆撃を続けるだろう。どちらか、あるいは双方が関心を失うまで、終わりのない爆撃に閉じ込められていると思う」と語った。

原題:Middle East Conflict Widens as Tehran Faces Existential Threat(抜粋)

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