(ブルームバーグ):トランプ米大統領がイラン攻撃に踏み切った場合、国防総省として初めての自爆型ドローン部隊を投入する用意があると、米当局者やアナリストが明らかにした。
このドローン部隊はタスクフォース・スコーピオンとして知られ、米軍の実験的な無人機部隊を発展させたものだ。現在は作戦準備が整っていると、米中央軍のティム・ホーキンス報道官が電子メールを通じた声明で述べた。
「われわれは昨年、進化を続ける新たな戦闘用ドローン能力を迅速に戦闘員に装備させるため、この部隊を設立した」と同氏は説明した。
このドローン部隊は、トランプ氏がイランの核開発を巡る交渉に圧力をかけるため命じた米軍増派の一環に組み込まれている。中東地域に集まった米軍戦力は、2003年のイラク侵攻以来最大の規模となっている。
米国とイランの協議は26日もジュネーブで続き、イランのアラグチ外相は双方が良好な進展を遂げたとし、新たな協議が「非常に近く」、おそらく「約1週間以内」に行われる可能性があると述べた。
高額なドローンから転換、消耗戦に対応
ドローン部隊の1機は昨年12月半ば、アラビア湾での試験発射に成功した。発射は、現在この地域に展開する米艦隊の一部である沿海域戦闘艦サンタバーバラの飛行甲板から行われた。
自爆型ドローン部隊の配備は、数百万ドル規模の高額な無人機への依存からの「転換」を示すものだと、フォーキャスト・インターナショナルの防衛アナリスト、アンナ・ミスケリー氏は指摘した。高額なMQ-9リーパーのような無人機は、安価な無人機を大量投入する消耗戦においては、コストに見合わなくなっているという。
中央軍は、低コスト無人戦闘攻撃システム(LUCAS)のドローン価格が、1機当たり約3万5000ドル(約540万円)だと見積もっている。アリゾナ州に本拠を置くスペクトルワークスが製造しており、自爆攻撃や偵察任務、海上攻撃などに投入できる。「航続距離が長く、自律運用するよう設計されている」と中央軍は声明で説明している。
ロシア・イランが開発では先行
このドローン部隊が今後の軍事行動に投入されれば、初めての実戦参加となる可能性がある。また、無人航空機の活用拡大を求めるヘグセス国防長官の方針を裏付けることにもなり得る。
一方で、米国はこの分野でロシアやイランに後れを取っているのも確かだ。数年にわたって先行してきた両国の後を追い、米軍の自爆型ドローンは、イランの無人機「シャヘド136」をリバースエンジニアリング(既存製品を解析して設計を再現する手法)して開発されたものだという事実がそれを示している。
米軍が準備を進めるLUCASのドローンは、40ポンド(約18キログラム)の搭載能力を持つが、イランの堅固な標的に対しては使用できない。それでも、ハドソン研究所のアナリストで元米海軍戦略計画担当のブライアン・クラーク氏によると、この戦力はイラン国内のミサイル生産施設や道路網、ミサイル発射拠点といった比較的防御の弱い分散目標を攻撃する有効な手段となり得る。
「この種の標的を破壊するには広範囲に分散した多数の攻撃が必要で、安価なドローンはそれを実行するのに適している」とクラーク氏は述べた。「イランにはもはや十分な防空網がないため、多くを撃墜できない可能性がある」とも語った。
原題:Pentagon’s First Kamikaze Drone Unit Ready for Iran Strikes (1)(抜粋)
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