三井住友フィナンシャルグループ(FG)を含むアジアの複数の大手銀行が、英銀HSBCホールディングスのインドネシアでの個人向け事業の買収に関心を示していることが26日、分かった。HSBCが事業売却に向けた入札を実施しており、少なくとも5社が参加している。

複数の関係者が明らかにした。売却額は2億ドル(約310億円)規模になる可能性がある。入札に参加しているのは三井住友FGの他に、シンガポールのDBSグループ・ホールディングス、オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)、ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)の3行に加えて、マレーシアのCIMBグループ・ホールディングス。各社は3月中に予定されている2次入札に向け、HSBC側と協議を進めている。

HSBCは、インドネシアやオーストラリア、エジプトの個人向け事業を対象とした戦略的見直しを行っているとしたが、決定したものはないとした。入札に参加している三井住友FGやシンガポール3行の担当者はコメントを控えた。CIMBからのコメントは得られていない。

日本が人口減少や低成長に見舞われる中、3メガバンクグループは高い成長の見込める東南アジアで金融機関への出資を積極的に行っている。特にリテール分野では経済成長をそのまま収益として取り込める機会になり得るため、海外勢を含めた大手各行が熱視線を送る。

インドネシアでは足元で政府主導の景気刺激策が奏功し、2025年10-12月の国内総生産(GDP)は前年同期比5.4%増と3年ぶりの高水準になった。プラボウォ大統領は、過去20年にわたり年平均5%前後で推移してきた成長率を8%に引き上げる方針を示している。

三井住友FGはインドやベトナム、フィリピンを加えた計4カ国をアジアの重点国と位置付け、現地の金融機関に積極的に投資を行っている。インドネシアでは、傘下の三井住友銀行が9割以上を出資する現地の「バンクSMBCインドネシア」(旧バンクBTPN)を通じて自動車ローンや二輪車ローン事業を展開するなどしている。

旧BTPNは19年に三井住友銀のインドネシア現地法人と合併し、24年に現在の名称に変更した。もっとも、今回の入札の結果、三井住友FGがHSBCの事業を買収しない可能性もある。

HSBCは構造改革の真っ最中だ。24年に最高経営責任者(CEO)に就いたジョルジュ・エレデリー氏は組織再編や人員削減に着手しているほか、これまで中核と位置付けていた事業からの撤退も検討している。

インドネシアでは08年に現地の銀行であるバンク・エコノミ・ラハルジャの株式88.9%を6億750万ドルで取得し、同国内の支店網がほぼ倍増していた。同国では商業銀行の他、投資銀行や資産運用などの業務を手掛けている。関係者によると、4年ほど前にインドネシアの個人向け事業の新規株式公開(IPO)を検討していたが、実現しなかった。

(第8段落を追加して記事を更新します)

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