北京を訪問しているドイツのメルツ首相は習近平国家主席と会談し、両国関係を強化する方針を確認しました。

中国国営の新華社通信は25日午後、習近平国家主席とドイツのメルツ首相が会談したと報じました。

会談で習主席は、アメリカのトランプ政権を念頭に「中国とドイツは国連の主導的な役割を回復させ、率先して多国間主義や自由貿易の守り手になるべきだ」と呼びかけました。

また、「両国は開放と互恵を基礎にした革新的なパートナーになるべきだ」と述べ、人工知能をはじめとした先端分野における対話と協力を進めるべきだとする考えを示しました。

これに対し、メルツ首相は「ドイツは中国との協調を強化し、自由貿易を守り、保護主義に反対することを望んでいる」と応じ、経済分野での協力関係を強化したい考えを示しました。

また、2人はウクライナ問題についても意見を交わし、習主席は「対話と交渉による解決策を模索し続けることが重要だ」と指摘したということです。

会談後、両国は「ドイツが貿易不均衡や輸出管理などの問題を重視し、一方、中国がハイテク製品の輸出管理などに対する懸念を持っていることに留意する」とする報道声明を発表し、双方が持つ懸念についても意見交換したことを明らかにしました。

今回、メルツ首相はおよそ30社の企業のトップなどを率いて北京を訪れており、中国との経済関係強化をはかる狙いがあるものとみられます。

ヨーロッパをめぐっては、去年12月にフランスのマクロン大統領が今年1月にイギリスのスターマー首相が北京を訪問するなど、中国との接近ぶりが際立っています。

グリーンランド問題やウクライナ問題をめぐりアメリカのトランプ大統領とヨーロッパとの溝が深まる中、中国としてはヨーロッパ諸国との関係を強化するチャンスと見て積極的な首脳外交を展開しています。

ただ、これまでウイグルの人権問題などで中国に対し厳しい姿勢を見せていたヨーロッパ諸国が批判を控え、関係改善を優先させていることから中国国内の人権問題などが置き去りにされる可能性も指摘されています。