中国で国内旅行の回数と支出額が春節(旧正月)連休としての記録をいずれも更新した。政府が消費需要の喚起に向けた取り組みを強化する中で、景況感の改善を示すまれな兆候となった。今年は23日まで9日間に及ぶ連休だった。

中国文化観光省は24日の声明で、連休中の国内観光消費総額が8035億元(約18兆1900億円)と、前年から1265億元増加したと発表した。増加分の一部は、今年の連休が前年より1日長かったことを反映している。春節は年ごとに時期がずれる。

同省によると、全国の国内旅行者数は延べ5億9600万人と、前年より9500万人増えた。公式統計や旅行会社の報告によれば、国内旅行やホテル宿泊、個人消費、小売売上高、海外渡航はいずれも前年から大幅に増加した。例年より長い連休が回復を一段と押し上げた可能性が高い。

 

今回の持ち直しは、購買に対する補助金・現金給付などの政府措置が一定の効果を上げ始めていることを示す兆しに加わるものだ。この勢いが今後も続けば、家計支出の押し上げと物価の安定を目指す政策当局の取り組みを後押しすることになる。

シティグループの余向栄氏らエコノミストは23日のリポートで、「消費は一般に想定されているよりも堅調に見える。株式相場の上昇による資産効果や、とりわけ観光分野向けの地方補助金が支えとなっている可能性がある」と指摘した。

ただ、見方は分かれている。エバコアISIによれば、連休の長期化に伴う総計データは家計消費の弱さを覆い隠している。

同社の中国担当首席マクロアナリスト、ネオ・ワン氏(ニューヨーク在勤)は、「旅行1回当たりで示唆される支出額は1348元で、2025年に記録した過去最高の1351元をわずかに下回り、19年の1238元を9%上回るにとどまった」との分析を示した。

旅行プラットフォーム各社は、連休中の旅行需要の拡大と1回当たり支出の増加を報告した。

アリババグループ傘下のオンライン旅行サービス、飛猪は国内旅行の予約件数が過去最高に達し、1人当たりの予約額も約10%増加したと明らかにした。旅行者の移動回数が増え、より遠方を訪れる傾向が強まったためだ。

同社によると、ホテル宿泊数は前年から75%増加したほか、宿泊と娯楽を組み合わせた人気テーマパークや観光地向けパッケージの予約は140%急増した。

中国のフードデリバリー最大手、美団の報告では、旅行者がより多くの目的地に分散したことが示唆された。同社によれば、連休中に複数の地域でオンライン注文を行った利用者数は50%増加した。データでは、旅行者が訪れた都市数は平均2.2都市だった。

原題:China Domestic Tourism Spending Hits Record, in Rebound Sign (1)(抜粋)

--取材協力:April Ma、ジェームズ・メーガ、Foster Wong、Jacob Gu、アンスティー・クリストファー.

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